絆道
□第6話
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「大丈夫かい?先生!」
「いや・・・!一週間ほど動けないんです・・・」
タズナの娘、ツナミに問いかけられ、カカシは床に伏せたまま弱々しくそう答えた。
「なぁーによ!写輪眼ってスゴイけど、体にそんなに負担がかかるんじゃ考えものよね!!」
んー……写輪眼っていうよりカカシ先生場合、正当な血筋であるうちは一族じゃないっていうのが一番大きな原因なんだけどね
とは口には出さず、苦笑してサクラを見る。
「でも、ま!今回あんな強い忍者を倒したんじゃ。
おかげでもうしばらくは安心じゃろう!」
汗を拭うタズナの言葉に、さっきと売って変わり、ユウは内心冷や汗をダラダラと流す。
い、言えない……
本当は再不斬は仮死状態になっただけ、だなんて……!
それにカカシ先生が気付いてないのに自分が知っていたら怪しまれるだろう、と自己完結したユウの耳に、サクラのあの仮面の少年は何者だったのか、という疑問の声が聞こえた。
「アレは霧隠れの暗部……追い忍の特殊部隊がつける面だ。
彼らは通称死体処理班とも呼ばれ、死体をまるで消すかのごとく処理することで、その忍者が生きた痕跡の一切を消すことを任務としている」
「忍者の体は、その忍里で染み付いた忍術の秘密やチャクラの性質……
その体に用いた秘薬の成分とか、様々なことを語っちゃうからね。
下手したら生きている忍より、死体に聞いた方が手っ取り早く済むパターンもあるし」
そう解説したユウに、なにそれ笑えない、と顔を引きつらせるサクラ。
「たとえば、オレが死んだ場合……写輪眼のような特異体質の秘密は全て調べあげられてしまい……
下手をすれば敵に術ごと奪い取られてしまう可能性だってあるわけだ……
ユウも言ってくれたように、忍者の死体はあまりにも多くの情報を語ってしまう。
つまり“追い忍”とは…里を捨て逃げた“抜け忍”を抹殺し、その死体を完全に消し去ることで……
里の秘密が外部に漏れ出てしまうことをガードするスペシャリストなんだ」
音もなく嗅いもない……それが忍者の最後だ。
最後にそう締めくくったカカシに、サクラは青ざめた表情で口をひらいた。
「……じゃあ、あのザブザも死体バラバラにされて消されちゃうのォ……こわぁ〜!!」
悲鳴にも似たそれに、ユウはつい、と視線をそらした。
……残念ながらというか、そうなることは今のところないかなぁ
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