絆道

□第4話
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「目標との距離は?」



無線越しのカカシの問いかけ。
そう、ユウたちは現在、任務の真っ只中なのである。



『5m!いつでもいけるってばよ!』

『オレもいいぜ』

『私も』

『こっちも準備OKです』



「よし!やれ」

「うりゃああああああ!」



カカシの合図と同時に、四方向から影へ向かって飛び出す。
ナルトはオロオロと逃げ道を探す影へと手を伸ばした。



「つっかまえたーっ!!!」

「ニャーーーーー!!」



ナルトに捕まえられた影……右耳にリボンを身に付けた猫は暴れに暴れる。
そして自分を捕縛している者へ爪で攻撃を仕掛けた。



「痛ェー!!」

『右耳にリボン……目標のトラに間違いないか?』

「ターゲットに間違いないよ、カカシ先生」



ナルトを未だ引っ掻くトラを苦笑しながら見て、一言カカシに報告する。
すると、ユウは攻撃の手を止めようとしないトラに手を伸ばした。



「ちょ、ユウ!!ソイツかなり凶暴だってばよ?!」

「そうよ!!もし顔に傷がついたら……!!」

「そうだぞユウ!そんな暴れ猫なんか、ナルトにでも運ばせろ!」

「え?え??」



きょとん、としながら、トラを抱き上げる。
先ほどまであんなに暴れていたトラであったが……



「にゃーん」



ユウにすりより、ゴロゴロと甘えるように喉を鳴らす。
その姿は、先程の凶暴性など垣間見えないほど大人しく、ご満悦の様子だ。



「よしよし、いきなり飛び出してゴメンね?
ビックリしたよね」

「にゃおん」

「あはは、くすぐったいよ」



頭を優しく撫でられ、機嫌を更に良くしたのか、トラはご満悦の様子でユウの頬をペロペロと舐める。
それを見た3人は……サスケは顔を赤くしながら……唖然とその光景を見る。



「こンのクソ猫ォオオオオ!!なんでユウに対してはあんなに大人しいんだってばよ?!」

「わ、分からないわよそんなの!!
でも、ユウに抱っこされて機嫌がよくなったって感じ……」

「……(羨ましい……って何を考えてんだオレは……)」

「よし、迷子ペット“トラ”捕獲任務終了!」



そんな4人の会話を無線機を通して聞いていたカカシは苦笑しながら任務成功を言い渡したのだった。







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