紅狼
□第七訓
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とある昼下がり。
名前は近藤に会議室に来るように呼ばれ、訪れていた。
「………お登勢に仕事?」
「あァ……万事屋の野郎に、祭りん時の貸があってな……」
あの祭りの騒動の後、お礼として人手不足の【お登勢】に仕事に私を行かせるように銀時はちゃっかり、土方のいっていたのだ。
「あ、わかりました!」
「「「え、いいの」」」
あっさり了承した名前に目が点になる近藤、土方、沖田。
てっきり、銀時とは顔を合わせれば嫌な顔をする名前が断ると思ったが………。
「じゃあ準備してきますね」
名前は軽く礼をすると、そのまま局長室を出ていってしまう。
三人は自然と顔を合わせる。
***
名前の部屋からは、鼻歌が聞こえてくる。
楽しげに準備をしている様子の名前に、近藤と土方は驚いていた。沖田もまた無言で名前の部屋を見ている。
「え、ちょどういう事!?名前だったら断りそうだけど!」
「知るか!」
「しっかし旦那もお人が悪ィや、礼に名前を求めるたァ」
三人の顔は不服そうだった。
近藤は、妹の様に可愛がっている名前をお登勢に1週間仕事、しかも万事屋達のところにいく思うと不満だった。
土方は、自分の補佐、というより
自分の背中を任せている名前をあの銀髪頭に取られると思うと、苛ついた。
沖田は、自分の遊び相手を、というより、自分の支えとなっている名前をいくら旦那といえど、取られるのは不服だった。
それぞれの理由は違うにせよ、
名前が万事屋の所に行くのは嫌だった。
そんな三人の心とは反対に、名前は楽しげに準備をするのだった。
***
「近藤さん、書類は机に置いときました、土方さん、昨日頼まれていた報告書まとめて置いときました!」
「あ、あぁ」「お、おう」
「じゃあ、行ってきます!」
1週間過ごせる分の荷物をもち、屯所の門をくぐって、行ってしまう名前の背をただただ見送る。
結局、止められなかった三人。
「ザキ、頼んだぞ」
「はい!了解です!」
土方の言葉に、山崎はこっそりと名前後をついて行った。
「名前………」
「心配要らねーよ近藤さん、山崎に任しとけば」
「そーでさァ、何かあったら俺のバズーカが火ィ吹きまさァ、土方にな」
「なんで俺だァァ!!!!!!!!!!」
*