紅狼

□第七訓
1ページ/6ページ


とある昼下がり。


名前は近藤に会議室に来るように呼ばれ、訪れていた。



「………お登勢に仕事?」


「あァ……万事屋の野郎に、祭りん時の貸があってな……」


あの祭りの騒動の後、お礼として人手不足の【お登勢】に仕事に私を行かせるように銀時はちゃっかり、土方のいっていたのだ。



「あ、わかりました!」


「「「え、いいの」」」



あっさり了承した名前に目が点になる近藤、土方、沖田。
てっきり、銀時とは顔を合わせれば嫌な顔をする名前が断ると思ったが………。


「じゃあ準備してきますね」


名前は軽く礼をすると、そのまま局長室を出ていってしまう。


三人は自然と顔を合わせる。



***


名前の部屋からは、鼻歌が聞こえてくる。
楽しげに準備をしている様子の名前に、近藤と土方は驚いていた。沖田もまた無言で名前の部屋を見ている。



「え、ちょどういう事!?名前だったら断りそうだけど!」

「知るか!」

「しっかし旦那もお人が悪ィや、礼に名前を求めるたァ」



三人の顔は不服そうだった。



近藤は、妹の様に可愛がっている名前をお登勢に1週間仕事、しかも万事屋達のところにいく思うと不満だった。


土方は、自分の補佐、というより
自分の背中を任せている名前をあの銀髪頭に取られると思うと、苛ついた。


沖田は、自分の遊び相手を、というより、自分の支えとなっている名前をいくら旦那といえど、取られるのは不服だった。





それぞれの理由は違うにせよ、

名前が万事屋の所に行くのは嫌だった。



そんな三人の心とは反対に、名前は楽しげに準備をするのだった。




***



「近藤さん、書類は机に置いときました、土方さん、昨日頼まれていた報告書まとめて置いときました!」

「あ、あぁ」「お、おう」

「じゃあ、行ってきます!」


1週間過ごせる分の荷物をもち、屯所の門をくぐって、行ってしまう名前の背をただただ見送る。


結局、止められなかった三人。


「ザキ、頼んだぞ」

「はい!了解です!」


土方の言葉に、山崎はこっそりと名前後をついて行った。



「名前………」

「心配要らねーよ近藤さん、山崎に任しとけば」

「そーでさァ、何かあったら俺のバズーカが火ィ吹きまさァ、土方にな」

「なんで俺だァァ!!!!!!!!!!」





次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ