短編

□イゾウ成り代わり
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医務室の船医とナース達が全員隊長達を探しにいなくなり、医務室にいるのは泣きじゃくるハルタと耐えるように唇を噛むサッチの二人。


最初に入って来たのは、マルコとエースの二人だった。


「サッチ、目ぇ覚めたんだな!その…ティーチを死なせちまってすまねぇ…」

「無事に目が覚めてよかったよい…!…ハルタがすまないねい。ヤツの死がよほどショックだったらしくてよい…」


ティーチを殺させてすまない、と言うエースに、何であんな奴を、と顔に出ているマルコに理不尽にブチギレてしまいそうで、残りの隊長達を呼んできてくれ、と頼む。

怪訝に思われるのも分かっていたが、我慢出来なかった。


こんな状態では他の兄弟達を目にした時冷静に話せない、と、必死に心を鎮める。


何より、ハルタには聞く権利がある――いや、おれが、話さなければならないんだ。


少し涙が収まってきたハルタの目を覗きこむ。


「ハルタ…隊長が全員揃ったら、あの日の事を話す。…だから、すまねぇ。もう少しだけ待ってくれねぇか」


こくり。小さく頷くハルタに、すまねぇと目を伏せた。



マルコとエースが出て行ってから10分ほど経った頃だろうか――やっと16ある隊の隊長全員が――15人全員が揃った。

欠けた16番目の場所にサッチがギリッと唇を噛んだが、一瞬強く目を閉じるとすぐに口々に違う事を話す彼らを制す。


「うるせぇ!!」


普段のサッチでは考えられない怒鳴り声に、ピタリとそれは止んだ。


「…サッチ…ティーチが死んだから怒ってるのか…?」


恐る恐るといったふうにエースが言った見当違いすぎる言葉に、腸が煮えくり返るような思いを無理矢理抑え、口を開く。


「黙ってろ、エース。お前ェらもだ。……今から話すことに嘘偽りはねェ。黙って聞いてろ」


しん、と静まり返る空気。

医務室は、どこか落ち着かない船内の中ただ一つ、ただならぬ雰囲気に包まれていた。






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話の関係で今回は短く。
上手く切れずに申し訳ないです。
もしかしたら書き直すかもしれません。


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