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□狂想曲 14
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何故自分が怒ったのかわからない


彼女から何かしらの情報を聞くことが出来ればそれでよかった

オリンポスは今や、解散したとまで言われる赤黒く謎めいた組織

やっと黒の組織に潜入することが出来た時のように、オリンポスの情報の破片を掴んだ時は心の内に踊るものがあった





そう

公安警察としての

平和を守る者としての血が騒いだ─────






なのにどうして?

ある程度の確証ある情報が手に入ったのにどうして?

感情のコントロールが乱れたのはどうして?

別に彼女がどうなったって自分には関係ないじゃないか
彼女が言っていたように───




「組織を潰す」



そう言った彼女の声と表情

その強い意志が現れた声色と、美しい輝きを放つ瞳が、彼女の堅固たる思念を感じさせた


まだ19の娘が、1人で何が出来る?

死にたいのか?



元々組織から逃亡できるものなど、黒の組織でもいないに等しい
生きていること自体が奇跡だ

追跡されない理由があるはずだ
彼女はオリンポスにとってまだ利用価値のある存在だということか?

生かす意味があるのか?


それでも、歯向かう者には容赦しないはずだ

仮に、本当に彼女がひとりで戦いを挑んだとして、
どんな策があるというのだ

考えれば考える程無謀だ




彼女を見ていると昔の自分を思い出す

自分の力でなんとでもなると思っていた頃の自分を───




警察の自分がオリンポスに関わっていた人物を気にかける、なんてな


そう考えると、自然と乾いた笑みが出た
呆れるかのように





また会えるだろうか?



僕は
君を野放しになんて─────
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