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□狂想曲 11
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オリンポスのスパイの数は計り知れない

世界各国に散らばっている



何故バレないのか───


いや、何人か失敗した者もいるが、すぐに消される

それだけ




穏便な手口とでも言おうか

陰湿な迄に"静"に拘る組織

もはや宗教団体では?




『どこかで布教活動してるかも、ね』

そう言いながらアイスコーヒーを啜るのは
いつも通りサングラスの綾美



数時間も座り続けているとやはり腰にくる

綾美はずっとこの道路側の席に座っている

なんせここからは警察庁の入口がよく見える




張り込み、という訳では無いが
とある人物を探して警察庁を見張っているのだ


オリンポスのスパイは勿論日本警察にも入りこんでいる
残念ながら綾美は誰がスパイなのかを知らない


オリンポス中枢へのハッキングの際にスパイ任務を課せられている奴らの国と顔と名前は1通り覚えたのだが、日本でスパイ任務を行っていた人物が解任させられたのか、一切表記されていなかった




────────




というか
日本警察は、警察庁が誇るセキュリティに守られているから安心できるとでも思っているのだろうか

私のように安易に破れる人間も世界には多数いるだろう


降谷零の情報はラッキーだったが──


今度安室さんに会ったら言っておかなくちゃ




その時に、公安部門ではオリンポスに籍を置いている者が見られなかった

ということは、スパイは別部門?

しかし、あの時全てのデータをチェックしたがオリンポスの顔は無かった

表記されないような重要なポストの人間なのか───





必ずオリンポスはスパイを置いている
その確証はある

オリンポスの人間は大体わかる
知っている顔が警察庁で見つかれば、そいつはスパイでまず間違いない

これから日本で事を起こしていくのに非常に厄介なので、摘んでおく必要は大いにある─────





"よいしょ" と声を上げ椅子に腰掛け直す

早く出てこないかなあ
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