episode

□狂想曲 9
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天気は快晴


綾美の心もなんだかウキウキ



米花町のとある公園で
少年探偵団と待ち合わせの約束をしている



どうやら先に着いたらしい

午前9:00の公園には、犬の散歩をしている初老の夫婦しか見当たらない




今回、都内の案内を頼んだわけだが
悩み事とは少し違ったような気もする

綾美にとっては、地理を把握するのがまずここに来て最初にすることだったので

子どもたちと楽しくできればそれはそれでいいかも、と考えていた


単なる悩み事を聞くよりも
こうして外へ繰り出すほうが子どもたちも絶対乗り気になってくれるはず




さて、もうそろそろかな?








綾美がうーんと伸びをすると、向こうから元気な声が聞こえてきた



「おねーーさーーーーん!!」



わーっと駆けてきたのは正しく少年探偵団だった


『お久しぶりみんな』

「お姉さんから連絡来るの、ずーっと待ってたんだよ?」

「そーですよ!返信遅すぎて忘れられちゃったのかと思いました」

『忘れるわけないわ、でもごめんね?忙しくしてたから』

「大丈夫です!あ、そうだ」


光彦が後ろを振り返る

綾美をその視線を追うと、こちらへ歩いてくる見知った男性がいた




「みんな走るの速いなあ、そんなにお姉さんが好きなのかい?」




あったりまえです!
と自信満々に答える光彦たち


どうやらこの男性は、綾美の姿が目に入った途端走り出した子どもたちに置いて行かれたらしい



『あなたは、喫茶店の....』



「一度お会いしましたね、安室透です」



『ふふ、覚えてますよちゃんと』



「それは光栄です」



"今日は子どもたちの保護者の立場で来させて頂きました"



彼の目は

着いてきたのには違う理由があるような、そんな色をしていた
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