episode
□狂想曲 6
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『まさか、こんな事になるなんてね』
湯船に浸かりながら回想する
他人にはあまり関わらないつもりだった
そちらに時間を取られるのも面倒だし
元々東京には知り合いなど1人もいない
綾美にとって知り合いがいないのは好都合だった
危険な行為に巻き込む可能性がないからだ
しかし
自分から作ってしまった
仲良くなるキッカケを
子どもが死ぬのを見たくないと思って咄嗟に行動に移してしまったのは良しとして、その後に喫茶店へ行ってしまったのが間違いだった
蘭の誘いをキッパリ断っていれば、あの子どもたちと仲良くなることもなかっただろう
自らを少年探偵団と名乗る子どもたち
うち2人はあまり乗り気では無さそうだったが、歩美、元太、光彦の3人は大いに自分に興味を示していた
"悩み事を解決する"
そう言って連絡先も渡してしまった
子どもの遊びみたいなものだから、飽きたら勝手に離れていくと思って適当にプライベート用の携帯番号を書いた
そう
相手は子どもなんだから
深入りなんてするはずがない
"遊び"が終わったら離れればいい
それがあの子たちの為でもある