東方の神を起こせ

□プロ意識
2ページ/2ページ

ヒョンが出てからすぐに僕もシャワーを浴びて、1日の疲れを洗い流した。
明日も予定があるが、いつもよりも遅い時間なので、少し心に余裕がある。
長めにお湯に当たってから風呂場から出た。

リビングに戻ると、ペットボトルのキャップが開いたままテーブルに置き去りになってるのが目に入った。
当人はベッドルームに行ったのか、見当たらない。
先ほどと同じようにキャップを閉めて、一言言ってやるためにベッドルームに向かった。
部屋に入ると、携帯をいじっていたユノが顔をあげる。

「あ、チャンミナ、おかえり」
「何回言えば貴方、ペットボトルのキャップを閉められるようになるんですかね?」
「……チャンミナも飲むかなって思って」

『嘘つけ!』と心の中で突っ込んでから、やれやれと首を振った。
サイドテーブルにペットボトルを置き、隣のベッドに腰掛けた。
携帯をチェックした後で髪の毛を乾かそうと考えていると、スプリングの軋む音が聞こえた。
どうしたのかと思い顔を上げるとすぐ近くにヒョンがいた。驚いて声を上げそうになる。

「わ、どうしたんですか?水飲みたいんですか?」
「あ、えっと、うん」

どうぞ、と水を差し出すと、ありがと、と控えめにお礼を言って水を飲んだ。
それを眺めてから、キャップを手渡し、しっかり閉めるように言ってベッドから立つと、僕を呼び止める声がした。

「チャンミナ、明日、仕事何時からだっけ」
「は?…14時からですけど」

普段時間管理をしっかりしている彼にしては珍しい質問だったので、怪訝な声を出してしまった。

「だ、だよね。明日はゆっくりだね。確かスケジュールもキツくなかったし」
「そうですね」

変なの、と思いつつさっさと髪の毛を乾かしてこようと足を踏み出したところで服の裾を掴まれた。
いよいよ変だ。

「あの、さっきから何か変ですよ?どうかしました?」
「……明日はゆっくりだし、スケジュールもキツくないよ」
「はい」

だから僕はさっさと髪の毛を乾かして、ヒョンとイチャイチャするために…と思ったところで、ピンときた。

これは、もしかして今、ヒョンに誘われている?
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ