超にゅースター
□ファッションセンス
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若干、いや、かなりのアウェーだった神戸コレクションが終わり、
いつもと違う緊張から解かれたメンバーは各々着替えて移動のために車に乗り込んでいった。
元々ファッションに興味のあるゴニルはニコニコしながら
「楽しかった」「また出たい」と興奮気味に話していた。
「モデルさん達だけじゃなくて、客席の人達もオシャレだったね」とソンモが言うと
「僕たちも今度はモデルとして出たい」と無邪気にはしゃぐジヒョク。
グァンスは会話を聞いているのかいないのか、
特に何の反応もせず座席に収まってスマホを眺めていた。
車に最後に乗り込んだユナクは、席に座ると我慢していた言葉を呟いた。
「正直、超恥ずかしくなかった?」
浮き足立っていた弟達がきょとんとした顔で振り向き、
「なんで?」と聞いた。
「モデルさんたちの衣装が主役だし、俺らが目立っちゃダメなの分かるけど、
ちょっと、衣装ダサくなかった…?」
ずっとずっと言いたくて我慢していた言葉だったが、
周りの関係者に聞かれてはまずいと思い、言えなかった。
こんなことは陰口みたいであまり良くない事だと分かっているが、
誰かに共感してもらいたかった。
しかし「そう?汗はすごくかいたけど、ダサくはなかったんじゃない?」とゴニルが即答した。
他の弟たちもゴニルの発言に異論はないらしく黙っていたので、
一番味方になってくれそうなグァンスに声をかけた。
「グァンスもそう思った?」
恐らくツイッターでファンの反応をチェックしていたグァンスが顔をあげた。
「タンクトップは俺の専売特許みたいなとこあるから」
「いや…」
期待した言葉とはかけ離れた発言に戸惑いを隠せず、
ユナクのフラストレーションは溜まっていったのであった。
この時ユナクは、最後の砦であったグァンスに裏切られたショックで
「俺も結構タンクトップ着るから」というツッコミはできずに終わった。