過去拍手のお話
□残念王子と俺
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「キー君や」
一部始終を見ていたジョンヒョンは隣で携帯をいじるキーに声をかけた。
「何」
「・・・いや、あれ、何だと思う?」
何だいジョンヒョンやとか、そういう返事を期待していたジョンヒョンは
わかりづらいボケだったかなと若干はにかんでから疑問を口にする。
「えー?お得意のイキッテミンでしょ」
「ああ、それね」
テミンはメンバーのマンネとして、いい子いい子されて育ったが、
彼も男で、かっこつけたい欲がある。
ヒョンたちに対して、ちょっとだけ大人ぶってみたり、ちょっとだけかっこつけてみたり
ちょっとだけからかってみたり、ちょっとだけイキってみたり。
みんな、それに気づいていて、気づかれているのに気づいていないのは当人だけ。
ミノはそんなテミンを見るたび成長したな・・・という目線で見る為、テミンにウザがられる事がしばしば。
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「ジョンヒョン」
プリンを食べ終わったオニュヒョンが皿を持って近づいてきた。
当然プリンは平らげられていた。
「なんだよ、空っぽじゃん。一口くらいくれるとかさ」
「それは事前に言ってもらわないと」
そう言いながらニッと笑うと、台所へ消えていった。
キーは携帯に夢中で、多分インスタのコメントでも眺めているのだと思う。
それを確認してから追いかけるように僕も台所へ向かう。
「ヒョン、ミノの言うとおり、今日はちょっと食べ過ぎじゃない?」
「見てたの」
「見てたよ」
「そう」
短いやりとりの後、ヒョンから軽いキスをされたので、彼の腰を引き寄せて僕からもキスを返した。
ぴったりと体をくっつけて、目を閉じて胸いっぱい彼の匂いを嗅いだ。
テミナはミノを警戒しているようだけど、ごめんね。オニュヒョンは僕のなんだ。