過去拍手のお話
□残念王子と俺
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今のは僕の妄想だけど、きっとそう思ってたに違いない。
ミノヒョンは分かってない。
今のはオニュヒョンからの構ってのサインだったのに。
それにしても、オニュヒョンもオニュヒョンで、何故ミノヒョンに言うのだろうか。
あの人が気付くはずもないのに。
「あーダメだ、これも開かない。ミノヤ」
「はい?」
今度はプリンの蓋を剥がそうとするフリをしてからミノヒョンに開けてもらおうとしている。
さっき2回もやってダメだったんだから、同じことしたって気付くわけないのに。
3度目の正直なんて、そう上手く行くわけないんだってば。
「ヒョン、今日は良く食べますね」
「僕が開けてあげる!」
痺れを切らした僕は、ミノヒョンが手を伸ばすより先にプリンをひったくった。
難なく蓋を剥がしてから、プッチンできるやつだったので、お皿に出してあげた。
「はい!」
「テミナ…ここまでしてくれなくても良かったのに」
「ヒョン、甘えたい時いは僕に言ってよ。
喜んで甘えさせてあげる」
「お、おぉ…わかった」
ほらね、ヒョンはこういうことをして欲しかったんだよ。
誇らしい気持ちでミノヒョンを盗み見ると、愛しい者を見るように僕のことを眺めていたので、すごく腹が立った。