東方の神を起こせ
□僕は偉い
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韓国ではそれぞれ別の家があるが、日本でのコンサート中は、日本にある宿舎で一緒に休む。
ユノは宿舎に着くと、倒れるようにしてソファに沈んだ。
後ろからついてきたチャンミンは送ってくれたマネージャーに最後の挨拶をして玄関の鍵を閉めた。
それから、ユノが脱ぎ捨てた靴を揃え、ユノが放り投げたバッグやジャケットを拾いながらリビングへ向かう。
ソファにうつぶせになっているユノの尻を軽くたたき、風呂へ入るように急かした。
「風呂入ってください」
何とか風呂に入らせると、その間に自分も入浴の準備をした。
そして出てきたユノを待ちかまえ、服を着たところでドライヤーを持たせた。
「いつも乾かし方が甘いから朝爆発しちゃうんですよ。ちゃんと乾かしてから寝室行ってくださいね」
生返事をするユノの頬を両手で挟んで睨むと、ユノは煩わしそうにしながらも大人しくうなずいた。
ドライヤーで髪の毛を乾かす後ろ姿を暫く眺めてから、チャンミンも風呂に入った。
チャンミンがすっかり寝支度を整えて寝室へ行くと、ドアを開けた瞬間にユノが「うわ!」と慌てた声を出した。
不信に思い、ベッドに腹ばいになって携帯を握っているユノに近づく。
「何かありましたか?」
「な、何もない」
「嘘はいけません」
携帯を奪おうとすると、珍しく激しい抵抗を受けた。
「珍しいですね、そんなに抵抗するなんて。何かあったんですね?」
「何もないって」
「じゃ、何でそんなに焦るんですか」
「・・・・・・」
画面の暗い携帯をちらりと見てから、恥ずかしそうに僕を見る目がいやらしかった。
明日もライブがある。
ライブや大きな仕事がある時は絶対にセックスを許してくれないユノ。
一瞬だけムラッとしたが、必死に自制して、軽くキスをするので我慢した。
「携帯見てたんですか?」
「まぁ…」
「ふうん」
言いながら、チャンミンは隣に並ぶ自分のベッドのシーツを剥いだ。
すると、後ろからもそもそ喋る声が聞こえた。
「なんかさ、たまたまツイッター見てたらさ」
「んー、」
「ライブ中の写真あってさ、良くあるじゃん」
「ですね」
「これっ」
何事かと振り返ると、先程はかたくなに見せてくれなかった携帯をこちらに向けている。
写真のようだ。
見ると、ユノが歌っている場面の写真だった。
「これが?」
「よく見て」
携帯に目を戻してよく見ると、なるほどズボンが盛り上がってしまっている。
「ああ・・・溜めすぎなんですよ。ちゃんと抜かなきゃ。生理現象なんですから」
「そ、」
何か言いかけたユノだったが、諦め、腕を下ろして携帯を枕元に置く。
下を向いたまま、黙ってしまったので、できるだけ普通にして尋ねる。
「ちゃんと抜いてますか?」
「・・・チャミナは、してんの」
「してますよ」
驚いた顔をして僕を見るので、「生理現象」と言って肩をすくめた。
少し怒ったような顔をして、また下を向いてしまったので胡坐をかいた太ももを撫でた。
すると、嫌だったのかユノはチャンミンの手を握って制止した。
握られた手はそのままに、覗き込むようにして見ると、ユノは口を尖らせた。
「だって、一人だと、途中で虚しくなる・・・」
意外な発言に一瞬固まったが、太ももに乗せた手を振り払われて我にかえる。
ユノが布団にもぐろうとするのを、今度は僕が制止した。
僕を見ないユノの顔を無理やり向けさせて、また軽くキスをする。
「じゃぁ、抜くだけ。手伝ってあげます」
「い、いいよ・・・」
弱めに遠慮するユノを押さえつけ、素早くベッドに乗り上げた。
そのまま仰向けに寝かせて上から覆いかぶさると、ひとまず耳たぶを食んだ。
「指、入れた方が感じる?」
耳に唇を付けたまま囁くと、肩を押して嫌がった。
「したくなるから・・・いらない」
「けど、抜かなきゃ、また笑われちゃいますよ?」
耳やら首すじやらにキスをしながら言うと、肩を押していたわずかな抵抗が緩くなった。
諦めたのか、余裕がなくなったのか。
「いつから抜いてないんですか?」
鎖骨から胸のあたりまで順にキスしながら下がって、乳首にさしかかる前に顔をあげてユノを見て尋ねる。
乳首へのキスを期待していたのか、息が上がってしまっているユノは僕の問いが聞こえなかったらしい。
「え、」
「ユノ?」
「なに」
それほど性的な触れかたをしていたわけではないのに、目はすっかりとろけている。
いらないと言ったのはどの口か、まるでもっとと誘惑するように僕の髪に指を入れて梳いてくれた。
僕はその誘惑に応えるべく、ユノの乳首の周りをぐるりと舐めた。
「う、」
我慢しなくてもいいのに、ユノは唇を噛んで快感に耐えた。
抜くためにしてるんだから。我慢してどうすると思いながら、いよいよ乳首に触れた瞬間だった。
「あっ、んんっ」
ビクビクと体を震わせて、苦しそうに呼吸しながら慌てて僕の顔を上げさせた。
僕は僕で、あまりの感度のよさに少しだけ驚いていた。
「チャミナ」
「はい」
「ちょっと、僕、今日、ヤバいかも」
「完全に溜めすぎですね」
熱に浮かされたような顔で僕を見るので、思わずゴクリと唾を飲み込んだ。
最後まで出来ないのが惜しい。
じっとユノを見つめながら指先で乳首をいじると、枕に頭を押し付けて快感に身をよじらせた。
「だ、チャミナ、待って・・・!」
「待ちません」
立ち上がった乳首に吸いつくと、頭上から短い悲鳴が聞こえた。
その声を無視して、少し体を抑えつけながら舌先で転がす。
「チャ・・・い、いっちゃうから・・・やめ」
「ん」
ビクビクいい反応をするもんだから、ユノの体を撫でながら夢中で乳首を吸った。
その間、ユノが何度か「ねぇ、ねぇってば」と切ない声をあげていたのに気付かなかった。
髪を引っ張られてはじめて気付いた。
僕もユノも、お互いすっかりとろけている。
「なに」
「チャミ、ちゅう、して」
半開きの唇がテラテラ光っていた。
僕とキスしたくで、ずっと自分で舐めてたのかな。
いやらしい人だ。
「やらしい顔してますよ」
「チャミナに言われたくない」
「ふふ」
ゆっくり起き上がって唇を合わせる。
顔を傾けて口を開けると、ユノの熱い舌が入りこんできた。
同時に、その熱が僕の体中を駆け巡って、下半身にじわりと熱が集まったのを感じた。
「ん」
「ふ、チャミナ、感じた?」
「はい」
「ふふふ、チャミナ、感じるとベロがぬるぬるするから、気持ちいい」
そう言って僕の首に腕をまわして口づけを求めてくる。
深いキスをしながら、ユノの体を弄って、ついに下半身へ手を伸ばした。
腰から太ももへ、往復するように撫でると、ユノは期待するように僕を見た。
ああ、挿れたい。
「ユノ」
「ん?」
「挿れたい」
「チャミナ、」
本気じゃなかった言葉だが、ユノの切ない顔を見て申し訳ない気持ちになった。
名前を呼ぶ声に抗議の色が入り混じっていた。
「もっと、ゆっくり愛し合いたいですね」
「ライブだもん」
「明日終わったら移動日ですし、そしたら、最後までさせてください」
「チャミナァ」
甘えたような声で呼んでから、下半身を僕の手のひらに押し付けてきた。
ユノも物足りないと感じているかもしれないが、僕も結構きつい。
明日は沢山、愛を注がせてもらおう。
そう思いながら、今日はユノの溜まった性を吐き出させることに専念した。