とある惑星の使者
□はじめての
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ミンソクはゼミの研究で帰りが遅くなっていた。
研究室の戸締りを買って出たためだ。
一人暮らしであるため、彼を待つものはいない。
時計の針は10時半ごろを指している。
まだ学校に残る生徒もいるが、少し中途半端な時間だったため、周りに生徒は誰も歩いていなかった。
警備員は一瞬不審そうにしてから、ミンソクを見ると表情を和らげ、軽く手を振った。
「ミンソク君、ゼミ?」
「はい」
「そっか、遅くまで、御苦労さん」
「警備員さんも。お疲れ様です」
軽く会釈をしながら校門を出る。