超にゅースター
□クリスマスを感じさせて
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昨日はクリスマスイブで、LIVEがあって、クリスマスの今日もLIVEがあった。メンバーは皆一生懸命練習して本番に挑んでいるようで、それらの情報はTwitterやメンバーから聞いていた。昨日はLIVE後にゴニルと電話で話し、いつも僕らを見守るファンへの伝言をお願いした。彼はしっかり僕の伝言を伝えてくれたようだ。Twitterで今日のLIVEの様子をチェックしていたら、ユナクさんから電話がきた。しかしLIVEの事は話さず、僕の様子はどうかとか、今日は何をしていたのかとか、そんな事を聞いてくる。
「ねえ、ユナクさん」
「ん?」
「僕、メール待ってたんだけど」
昨日ファンが言っていた。ユナクさんが僕にメリークリスマスとメールするって。昨日からずっと待っていたのに、僕はまだそのメールを受信していない。
「メール?何の?」
分かっているくせに、知らない振りをして、僕に言わせようとする。そういうところがグァンスに女の子みたいって言われる所なんじゃないかな、と思いながら、話を進める。
「メリークリスマスって、メール貰えると期待してたんだけど」
「うわ、何で知ってるの?」
いかにもわざとらしいけれど、それがユナクさんなので、頬が緩むのを自覚しながらTwitterで知ったのだと説明した。すると、大いに納得したリアクションで、情報が早いなぁと苦笑するのが聞こえた。本当に気づいてなかったのかと錯覚する程、演技派な彼だけれど、この手のあざとさはメンバーなら誰でもお見通しだ。なお、好みは分かれる。知ってが知らずか、いつもの調子で説明を始めるユナクに、僕は久々にちょっとの苛立ちとちょっとの懐かしさを感じた。
「実は、メールしようと思ったけど面倒になったから電話にした。その方が早いだろ?」
どっちにしろ遅い。とは口が裂けても言えないが、皮肉を込めてからかってみた。
「そういうところ、ユナクさんらしいね」
「おい、今ちょっとバカにしただろ」
頭のいい彼にはすぐ気付かれてしまい、鋭く突っ込まれた。思わず声をあげて笑っていると、電話口から笑い声の後に軽いため息が聞こえた。
「疲れました?」
「え?あ、うん。楽しかったよ」
「何かありました?」
「いや…」
電話なのがもどかしい。目の前にいれば、表情や仕草や雰囲気で、彼がどんな気分なのかがもっと良く分かるのに。
「今すごくヒョンのこと抱きしめたいのに、出来ないのがもどかしいです」
「ふふ…慰めようとしてくれてるのか。優しいな」
「だって、何で落ち込んでるのか教えてくれないから」
休暇をもらっていても、彼が日本にいるのでは何もできない。落ち込んでいるのは僕も同じだけれど、せめて明るく聖夜を過ごしたい。
「そういうわけじゃないよ」
「じゃぁどうしてため息?」
「だって…」
「昨日僕がゴニルと電話してたから?」
「……」
ビンゴのようで、黙ってしまった。自分はあまり電話などをマメにしないのに、僕がゴニルと連絡を取り合っているのを見て、拗ねるのはいつものことだ。
「昨日は、僕から連絡したら負けだと思ったからしなかったんですよ。代わりにゴニルに電話しちゃいました」
「だからってなんでゴニルなんだよ」
本音が出てきたようで、若干語尾がきつくなっている。
「話しやすいから。あと、喜んで話し相手してくれるし」
「……そう。話しづらくてごめんな。俺、ゴニルじゃないし」
「もー、拗ねないでよ。クリスマスに喧嘩なんてしたくない。電話で顔も見れないし、寂しいよ」
静かになったので、多分電話の向こうで熱くなりすぎたのを反省している頃だ。昨日用意していた言葉を送る良いタイミングだと思って、できるだけ優しい声になるように意識して声をかけた。
「ユナクさん、愛してるよ。電話だけど、聖夜をユナクさんと過ごせて嬉しい。メリークリスマス」
「ずるいよ、ソンジェ」
名前を呼ばれてドキリとした。久しぶりに彼と目が合ったような気がした。そこにいないのに、まるで近くにいるみたいに。
「拗ねて、子供みたいなこと言ってごめん。俺も、あの、嬉しいよ。メリークリスマス。ゆっくり休めよ。おやすみ」
「うん。今度は僕から電話するね」
「わかった」
恥ずかしかったのか、電話を切り上げられてしまったけれど、忘れられないクリスマスになった。そして、ますます次会える日が楽しみになった。
本当に大好き。引き続きLIVE頑張ってね。