輝く豆腐たち

□ シール
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コンビニの菓子パンなどに貼り付けてあるシールを集めると、リラックマのお皿が貰えるらしい。


「ヒョン、そのシールちょうだい」

オンユが菓子パンを食べていると、テミンが抱きついた。

「俺、今そのシール集めてんの。貰うね。どうせ、捨てちゃうんでしょ?」
「シール?」
「ホラね。シールが付いてることすら気づいてないんだから」

言いながら、オンユの手の中でクシャクシャになっている袋を伸ばすと、シールを剥がして見せた。

「40枚も集めなきゃいけないんだ」
「ふうん。それで、何が貰えるの?」
「リラックマのお皿」

オンユは不思議そうに首を傾げた。

「テミナ、リラックマ好きだっけ?」
「これね、俺が欲しいんじゃなくて、ラビにあげるの」
「ジェリピの子?」

他の事務所の子で、テミンとカイと仲良しの子だ。

「そ!カイと一緒に集めよって言ってて。多分あいつ、本心はいらないと思っても困ったように笑ってありがとって言うんだよ」

手を叩いて笑うテミンを、オンユは嬉しそうに眺めた。
しかし、ただのいたずらにしては、お金がかかるなと不思議に思う。

「本人がそれほど喜ばないのを知ってて、どうしてあげる事にしたわけ?」

テミンは質問を受け、満足そうに頷く。

「そうだね。まず、ラビがリラックマの皿を交換するところを想像するだけで最高に面白いし、皿を自分で使うっていうのも楽しい。で、ラビがリラックマの皿を使っているところを見たメンバーの反応を想像するのが、一番、ワクワクする」
「ふうん」

オンユは若干引き気味にテミンを見つつ、楽しそうで何よりだなと思った。

「じゃ、今度シールがついた商品を買ったら、またあげるよ」
「うん!ありがとう。じゃぁね!」

テミンは元気に手を振り、来た方に走り去った。


おわり

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