輝く豆腐たち

□同衾
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今日、オニュとミノは同じ現場で仕事だった為、宿舎に戻るのに一緒に車へ乗り込んだ。
特に会話はなく、それぞれ携帯をいじっている。
暫く走行してから、ふいにミノが声をあげた。

「あ、オニュヨン」
「なに」

呼ばれたオニュは携帯ゲームに真剣ながらも返事をした。
しかし対するミノは、友人とのLINEに夢中で、オニュの返事を聞いていなかった。
オニュは携帯から顔を上げると、ミノの肩をつついた。

「何か用があったんじゃないのか」
「ああ、すみません」

ミノはパッと顔を上げると、携帯をポケットにつっこみ、いつもの笑顔でオニュを見た。
それから、自分の肩をつついたオニュの手をとって、わざわざ体を向ける。

「今日一緒に寝ません?」
「、え」

オニュは唐突な質問に言葉の意味を理解できずにいた。

「今日、一緒に」
「聞こえてるよ。けど、え、待って」

解せない顔でいると、ミノがもう一度同じ事を言おうとしたので遮った。
耳には入ってきたものの、言葉の持つ意味を解釈しきれずにいただけなのだ。

「寝るって、どういう意味」
「え?普通に」
「普通に・・・」

普通に寝るというのは、ただ単に同じ布団に入って寝るという事だろう。
そう解釈し、オニュは慎重に返した。

「あー、一緒の布団で寝ようってこと?」
「そうですよ。それ以外にありますか?」
「いや、ごめん、何でもない。別にいいよ」
「わぁ、よかった」

さわやか過ぎる笑顔に、これで変な事を考えていたら逆にすごいよなぁと妙に安心して、
オニュは宿舎までの時間をゲームに費やした。

その後、オニュはミノに美味しく頂かれたことは言うまでもないだろう。

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