輝く豆腐たち
□痛み止め
1ページ/3ページ
「オニュヨン、本当に、本当に大丈夫ですか?」
「うん」
「本当ですか?無理してませんか?」
「してない」
「絶対ですか?具合悪くないですか?お腹…」
「ミノヤうるさい。しつこい」
「ヒョン…」
雑誌の撮影のためにメンバーが集まる中で、ミンホはしきりにリーダーであるオニュの体調を気遣っていた。
移動の度に手を貸そうとして手荒に跳ね除けられているが、めげずに世話を焼こうとするミンホに対し、うっとおしいなという目線とオーラを出しまくるオニュ。
先のような会話を二人で何度も繰り返していた。
「オニュくん体調悪いの?大丈夫?」
スタッフがスケジュールについて話しながら訪ねると、オニュは申し訳なさそうな顔で大丈夫ですと微笑みながら答えた。
体調が悪かったとしても撮影は続くが、少しキツイようであれば撮影の順番の変更は可能であることをやんわりと説明され、更に眉毛を下げて、はい、と返事をした。
「そっか、分かった。じゃぁさっそくだけど、説明した順番で撮影するから。移動お願いね」
「はい、よろしくお願いします」
個人撮影に入るので移動するようにとメンバーに指示するオニュに向かって、ミンホが声をかける。
「オニュヨン」
「なんだよ、早く移動しろって」
「あの、これ。持っててください」
イブ(鎮痛剤)を渡され、慌てたオニュは顔を赤くしながら薬を押し戻した。
「い、いらないって!持ってる必要ないし!余計なことすんなよ!頼むから早く移動しろ!」
「だけど、心配だから…」
不満気なミンホをなんとか持ち場へやると、深いため息をついて自分の撮影現場へ戻った。
心配そうにしているスタッフに気づき、恥ずかしそうにしながら言い訳をする。
「実は昨日、当たっちゃったみたいで、ずっとお腹痛かったんですよ。
ミンホがくれたものだったから、責任感じちゃってるみたいで…
でも、朝起きたら治ってたので、今日は元気です!よろしくお願いします!」
言葉通りしっかり撮影をこなし、他のメンバーもスムーズに終わった為、早めに宿舎に戻ることになった。
しかし、バンに乗り込む際にも一悶着あり、キーはあからさまに嫌な顔をした。
「ねぇ、そんなに心配ならおんぶか抱っこでもしてあげれば?」
皮肉を込めた発言だったが、ミンホが真に受けて実行しようとしたので、更に揉めて余計に時間がかかった。