輝く豆腐たち

□後生だから
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「ちょっ、と、まっ」

息を上げながら抗議してもジョンヒョンは動きを止めない。
ぬるぬるしたモノが太ももの間を抜ける。

「う、っそ。ちょ、ほんと!」

逃れようと足に力を入れると、熱いそれが俺の分身をわざと掠めるようにして動く。

「ふわ、あっあっ、」

向かいにある肩をグッと押すも上手く力が入らず、足の力も抜けてきた。
相手が動く度に快感がざわりと駆け抜ける。
揃えた膝をぎゅっとくっつけて抱えられた。

「…?なに、っあぁぁぁっ!」

激しいピストン運動が始まり、枕に後頭部を擦り付ける。
腕を動かし、相手の膝や腕を叩いて降参の念を伝えようとした。
しかし激しい動きに翻弄され、しがみ付く事しか出来なかった。

「ね、ヒョン、気持ちい?」

ジョンヒョンが微笑みを浮かべている。
そして、少し動きを緩めながら体を近づけてきた。
息が荒い。
問に答えられずにいると、囁いてきた。

「俺は、ね、気持ちいい。すごく。」

優しい、微笑み。
ぜぇぜぇ言いながら、汗もすごい。
ぐぐっと体重をかけてキスしようともっと近づいてくる。

「ジョン、あっああ、」

こすれあい、快感が走る。
上手く喋れない。
キスの前に言いたい事がある。
顔を背けて抵抗した。

「ヒョン、こっち向いて、キスしたい」

ねぇ、お願い。
懇願する声に目だけ向けると、切ない表情をしたジョンヒョンがこっちをジッと見ていた。顔はかなり近い。
ジョンヒョンの口に手を当ててバリアを作ると、やっと顔をあげられた。

「ジョンの、パボ。俺は…」

ジョンヒョンが身じろいで快感の波が広がったのと同時に目に溜まっていた涙がツ、と零れた。

「好きなんだ。」

好きだったと言うつもりだったのに、自分が言う前に相手が声を発した。
今、なんて?
くぐもってよく聞こえなかったので、覆っていた手を離した。
自分の聞き間違えか?
好きと言った…?

「好きなんだ、ヒョンの事が、ずっと。」

よく見るとジョンヒョンは泣いていた。
俺の涙と混ざって枕を濡らす。

ジョンヒョンが、俺を、好き?

「こんな事して、今更と思うかも知れない。
けど、どうしても、我慢できなくて、だから…ヒョン、ごめん…後生だからキス、させて」

ボロボロ涙を流しながらジョンヒョンが言う。

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