特設会場
□グリコ
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とある長い階段の一番下、立ち止まったソンギュとウヒョンは二人して顔を見合わせた。
「ギュヒョン、グリコしようよ」
「俺も言おうとしてた」
互いに不敵な笑みを浮かべながら拳を握る。
ジャンケンポン!
掛け声と共に繰り出したのは、ソンギュがチョキでウヒョンがグーだった。
勝ち誇った表情のウヒョンに、ソンギュは呆れて溜息をつく。
「バカだな、ウヒョナ。グーで勝っても何の意味もない」
「フッフッフッ…ソンギュヒョンは甘いよ」
ソンギュの肩を優しく叩くと、ウヒョンは一段目に足をかけた。
「グ・ル・コ・サ・ミ・ン」
しばしの静寂。
ソンギュは唖然とした。
「ふぅ。よぉし、ジャンケン…」
二回戦に進もうとするウヒョンを、慌ててソンギュが制した。
「ちょ、ちょっと待て」
「はい?」
「いや、お前、そこはグリコだろ。今、何つった?」
「グルコサミン」
「グリコ要素どこいったんだよ」
「過去の名残で?」
「なごってねぇじゃん。看板の人、あんなに元気よく走ってたのに膝間接どうしちゃったんだよ」
「グルグルグルグル…?」
「グルコサミン♪…じゃねぇよ!」
ソンギュが叫ぶと、ウヒョンは腹を抱えて笑った。
「ソンギュヒョンのノリツッコミ秀逸…!」
「うるせ。あと、このネタこないたTVでやってたナ◯ツのパクリだろ」
「ソンギュヒョンも見てたのかぁ」
「一緒に見たんだろバーカ」
とぼけるウヒョンに、ソンギュは眉を下げて笑った。
その後、二人は『新・グリコ』で引き続き決着をつけることにし、僅差でソンギュが優勝した。
おわり