Realヴィ

□おんぶにだっこ
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ハギョンがツイッターを見ていると、懐かしい映像が目に入った。
テグンがハギョンをお姫様だっこをしたものだ。
その動画では、ハギョンを持ち上げてすぐにくたくたになるテグンの様子が映し出されていた。

「ふふ、懐かしい」

テーブルに座って、頬杖をついていたハギョンは、一人で口元を歪ませた。
すると、ちょうどそこに、コーヒーを冷ましながら歩くテグンの姿が見えた。
ハギョンは目を輝かせて声をかける。

「ねぇ。テグナ、おんぶして!」

ハギョンが、お姫様だっこではなく、おんぶを強要したのは、お姫様だっこよりはしやすいと思ったからだった。
しかし、テグンは静かに首を振る。

「疲れるから嫌だ」
「じゃ、おんぶさせて」

ハギョンは落胆するでもなく、すぐさま別の要求を口にする。
立ち止ったテグンは、少し考えた様にぼんやりしてから、マグカップをテーブルに置いた。
それから、腕を前に突き出して、おんぶされるのを待った。

「ふふ、後で俺にもコーヒーちょうだいね」

そう言うと、ハギョンはくるりと体を反転させて、テグンの前で腰を曲げた。
テグンが腕を突き出したまま、背中に体重をかけたため、ハギョンは伸ばされた腕をひっぱって、背中に乗せた。
何の感嘆もなく、されるがままのテグンは、大人しくおんぶされながら呟く。

「ハギョナ、コーヒー飲むの?」
「うん、欲しい」
「わかった」

それきり黙ってしまったテグンを背中から降ろすと、ハギョンは「可愛いなぁ、テグナ、大好き」と言って、正面から抱きしめた。
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