Realヴィ

□ある日の朝B
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ヒョクが目を覚ますと、甘い香りが胃を刺激した。
ゴロンと寝がえりを打ちながら、キッチンでホットケーキを作るエンの姿を想像した。


アイドル界隈では、多くのマンネはメンバーのために料理担当をするのが通例だった。
ヒョクはそれを承知しているし、時間があれば、ケンやラビを誘って料理をする事もあった。
しかし、それを当然と思わないのがエンやレオだった。
特にエンは、上手くもないくせに「可愛い弟たちに甘えていられないよ!」と言って、やたらと手伝いたがった。




以前、メンバー内であまり料理の評価が高くないエンに、「ホットケーキくらい、まともに作れるようになってくださいよ」と言った。
からかい半分だったが、まじめな彼はここ最近、朝の時間に余裕があるとホットケーキを作る練習をしていた。



何となく、自分の発言の所為で、エンが貴重な睡眠時間を削っているのかと思うと、申し訳ない気がした。
それに、『お前のために頑張ってる』とアピールされているようで、イライラした。


努力は見えない所でするものだ。
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