Realヴィ
□愛のカケラA
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僕の大告白は、見事に玉砕した。
「エニョン、愛しています」
「エニョン、本当に、好きですよ」
緊張しながら、できるだけ丁寧に気持ちが伝わるように言ったつもりだった。
けれど、それは逆効果だった。
当然だ。
男同士だし、同じメンバーの弟。
しかも、エニョンはグループでは最年長だけど、僕の分析ではお姉さん相手の方が似合う。
実際、チャ・ハギョンは末っ子だし、本当は甘えるのが好きなんだ。
どうしても縮まらない年齢。
エニョンを好きになってから、何度も自分の気持ちを抑えようと躍起になった。
しかし、どうしても、どうしても溢れる感情に歯止めがきかなくなってきた。
そんなある日、僕はエニョンに告白をした。
そして、見事に玉砕したのだ。
僕は告白の前にいくつかのプランを準備していた。
Aプランは、上手く言った場合。
その場合は、そのままエニョンとお付き合い。
Bプランは、激しく断られた場合。
キツイ。
その場合は、笑顔でごまかす。
「そこまで言わなくてもいいじゃーん!僕らのカップル、結構人気でしょ?」
これでいこう。
Cプランは、エニョンが戸惑った場合。
これは一番予想がつく。
僕の発言を冗談と受け取れば、スルーするだろうし、僕の発言を本気かもと受け取ったら、どうすればいいのか悩むのだろう。
玉砕したと言ったが、今回のエニョンの反応としてはCパターンだった。
僕は脳内リハーサルの通り、あいまいな反応を示したエニョンを置いて姿を消した。
そして、予想通り、僕はエニョンの反応に傷ついた。
それでも気を取り直して、またすぐエニョンに駆け寄って「愛してる〜!」と声を掛ける。
何度も言う事で、言われる事に慣れさせる作戦だ。
ちなみに、これはただの照れ隠しであることをお伝えしておく。
あの言葉は、はじめから商業用の言葉ですよ!という、照れ隠し。
そして、諸刃の剣だ。
もう二度と、本気の告白はできない。