Realヴィ
□愛のカケラ①
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『愛してる』
その言葉は本来、様々な思いを込めて発せられるもののはずだ。
けれど、その言葉に中身があろうが無かろうが、関係ない。
言葉は所詮、言葉なのだから。
はじめてジェファンから「愛してる」「好きだ」と言われた日、確かに切実な思いを感じた。
気がした。
衝動的で情熱的な。
当然、突然の告白とも取れる彼の言葉に、俺は戸惑い、焦った。
しかし、連発される言葉にだんだんと彼の思いは無いと気付いた。
もしかすると、はじめに感じ取った彼の思いも、俺の幻覚だったかもしれない。
何故なら、彼が何を考えているかなんて、他人の俺に分かるはずがないのだから。
肩透かしを食らった気もしたが、勘違いだったと納得すると、一気に気が楽になった。
メンバーから本気で恋されても、困るだけだ。
そう思っていたにもかかわらず、何度も『愛してる』と言われ続けると、今度は別の感情が芽生えた。
勝手な話だ。
はじめは、彼が本当に俺を特別な感情として好きかもしれないと思って戸惑ったのに、そうじゃないと分かった途端に。
ある日から、彼が俺に『愛してる』と言ってくるその意味を問いたくなってきた。
彼が連呼するのには、何か理由があると、思いたくなった。
多分、その日から、俺は彼の事が。