過去拍手のお話
□ツンデレ
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ライトノベルから顔をあげたホンビンは、眉間にしわを寄せ、何かを味わうかのような表情になった。
「いい・・・やっぱり、ツンデレは、いい・・・」
風呂場にて
ホンビンが風呂に入ろうと脱衣所でシャツを脱いでいると、ウォンシクがドアを開けた。
流石のホンビンも驚き、動きを止めた。
「ビナ、今から入る所?」
「あ、シギか。なんだ、そうだけど」
ホンビンは、入ってきたのがウォンシクだと分かると、肩の力を抜いた。
「なぁ、俺、どうしても今入りたいんだ。一緒に入ってもいい?」
「あぁ・・・」
良いよと言いかけて口をつぐんだ。
ウォンシクは眉を寄せて若干不満そうにしている。
一緒に風呂に入る事は、それほど珍しい事ではなかった。
しかし、ホンビンは考えた。
”今こそツンデレの力を見せる時だ”と。
咳払いをして、「その・・・」と言った。
「どうしても、なら、仕方がないな」
「いいってこと?」
「仕方なくだからな!あの、本当は嫌なんだからな」
「どっちだよ。いいのか?悪いのか?」
「べ、別に良いけど・・・お、お前のためじゃないからな!」
「は?」
おっと、今の台詞はいらなかった。危なく俺のために風呂に入るのをOKしたかのようだ。
そう思いつつ、『はじめてにしては、うまくツンデレ感がでたな』と自己満足にひたるホンビンだった。