過去拍手のお話

□単純な僕
1ページ/1ページ


「誕生日おめでとう」

日付が変わると同時にメッセージを受け取った。
送り主はリーダー、オニュヒョン。
同じ宿舎にいるのに、どうしてメッセージなんだろう。
とりあえず、「ありがとうございます」と返信した。

その後、やっぱり気になって、ヒョン達の部屋をノックする。
部屋からはミノヒョンが出てきて、「おめでとう、お誕生日のテミンくん。どうかした?」と頭を撫でてきた。
にっこり微笑んでから、オニュヒョンの居場所を聞いたが、知らないようだった。

まだ帰っていないならば、居間で待っていようと思い、向かうと、ソファに人影が見えた。

「あ、オニュヒョン」
「・・・・・・」
「寝てるし」

タイマー設定か何かで事前に送信しておいてくれたのだろうか。
寝顔を見ながら考えて、水でも飲もうと顔をあげた所で、腕をつかまれた。

「タイマー設定してたんだ」
「ヒョン」
「本当はちゃんと伝えたかったんだけどね」
「どっちでも嬉しいですよ」
「テミナ、おめでとう」
「・・・やっぱり、直接言ってもらえると嬉しいですね」
「俺が一番?」
「残念、ミノヒョンが最初でした。メールはヒョンが一番」
「タイマーしておいて良かった」

僕は掴まれていた腕をといて、オニュヒョンの手の甲にキスをした。
ソファに寝転がっているオニュヒョンの脇に跪いて、「今宵は一緒に眠りましょう」と言ってみた。
横を向いて僕を見ていたオニュヒョンはカラカラと笑って、半身を起こした。
それから僕の額にキスをして、「光栄ですわ、ミスター」と言って自分の部屋に帰って行った。

誕生日くらい、マンネのわがまま聞いてよね。
少し落ち込んだ僕だったが、すぐに届いたメッセージを見てよろこんだ。

「今度ね」

僕って単純すぎるかな。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ