超にゅースター

□毎年恒例のバレンタインデー
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美容院から出てもなお、ゴニルはホニョンに食い下がった。

「なぁ、どうすんの」
「どうって」
「だから、もらうの?」
「分からないよ」
「そうじゃなくて」
「なんだよ」

イライラした口調でホニョンがゴニルを見る。
早歩きをやめ、ガードレールの前で向き合った。

「何が聞きたいのか、はっきりしろよ」

ホニョンは普段温厚なくせに、急に怒りスイッチが入る。
しかし、そんなホニョンに慣れっこのゴニルは、意に介する事無く続けた。

「聞いてんじゃん、どうすんのって。チョコ、貰うの?」
「だから、貰えるかどうかも、まだ分かんないじゃん」
「違うよ、アホ」
「は?!」

いよいよ怒ったホニョンは、「意味わかんない」と吐き捨てるように言って、歩き出した。
すぐさま、早歩きのホニョンを追いぬかして、ゴニルが立ちふさがった。

「告ってきた子が、当日、校門の前で立ってたとするじゃん」
「・・・・・・」
「で、チョコを、渡してきたとするじゃん」
「・・・・・・」
「そしたら、その時、ホニョアは、そのチョコ、受け取るの?って聞いてんの」
「・・・・・・」

立ちどまったホニョンの腕をとり、顔を覗き込む。
と、とたんに激しくゴニルの腕を振りほどいて、ホニョンは半歩後ろに下がった。

「最初から、そう言えよ」
「で?どうすんの?」
「・・・・・・わかんない」

ホニョンはガードレールに寄りかかって呟いた。
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