特設会場

□通い妻
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ヒチョルさんの家に行く前に、スーパーに寄って食料品を購入する。
日持ちするような、おつまみになるようなものを作ってあげよう。
何を作るか決めて、買い物をすませると、ヒチョルさんに連絡を入れる。

「今から大丈夫ですか?」

送信すると同時に既読になったので、小さく笑うと電話がかかってきた。
ヒチョルさんからだ。
慌てて受話器のボタンを押すと、焦ったような声が聞こえた。

「リョウガ!」
「ヒチョルさん、どうかしましたか?」
「今どこ?」
「スーパーですけど」
「そっか」

もしかしたら、都合が悪かったのかも知れない。
一応、昨日も家に行く事は伝えていたけれど、時間まで連絡していなかった。

「あ、予定が入ったならいいですよ。まだ宿舎の近くですし、また今度」
「ち、違う!平気平気。そのまま来て」

迷惑じゃないかなと不安を抱えながら、タクシーに乗る。
携帯を見ても、特に連絡は入っていない。
少し手前で下ろしてもらい、できるだけゆっくり家に向かうことにした。
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