超にゅースター

□毎年恒例のバレンタインデー
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美容室、ゴニルとホニョンは並んで髪の毛を切ってもらっていた。
ホニョンは鏡台に置かれた雑誌を眺め、ゴニルは髪の毛を切る美容師の手元を眺めていた。
髪の毛を切るシャクン、シャクンという音を聞きながら、ゴニルはホニョンに声を掛けた。

「な、ホニョア」
「ん」

ホニョンは顔も上げず、ぞんざいな返事をする。
しかし、そんなホニョンの態度を気にする様子もなくゴニルは続けた。

「今年のバレンタインさ、どうすんの」
「どうって」
「ホニョア、言ってたじゃん。こないだ、他校の女子に告られたって」
「言ったっけ」
「言ってたよ」
「まぁ、そうだけど」
「どうすんの」

ゴニルはもう一度同じ質問を投げた。

「どうって」

ホニョンも同じ返事をした。

「期待するでしょ、普通」
「するかな、普通」
「するでしょ、そりゃ」

突然、ゴニルを担当している美容師が口をはさんだ。
思わず二人は鏡越しに美容師を見上げた。

「あ、ごめん、つい」
「お兄さんも、思うよね。告られたら、その子からのチョコ、期待するよね」

同意を求めるように、ゴニルが美容師に問いかける。
美容師は、ゴニルの言葉にいちいち頷いてやった。

「うん、僕も、きっと期待する」

そんな二人を見ながら、ホニョンは自分の担当の美容師を鏡越しに見た。
目が合うと、その美容師は肩をすくめた。

「俺に加勢してほしいの?」
「そうじゃないけど・・・」

ジヒョクは開いていた雑誌を閉じ、鏡台に置いた。
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