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□詩を書くあなたに100のお題。9
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086「紅葉」

紅い葉の上を音を立てて歩きながら
君の家へ向かったあの日。
忘れない。
君の笑顔と涙。
紅葉に負けない赤い薔薇の花束が
君の腕の中へ辿り着いたあの日。
秋の風が舞う心地よい世界の端っこで
オレは君の瞳を見て言ったんだ。

「結婚しよう」

紅葉も薔薇も君の頬も
オレは忘れない。

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087「靄」

君が消えてしまわないように
強く手を握った。
お互いの顔すら見えないけれど
何故か君が笑ったような気がした。
目隠しよりも見えない白の中で
本当は自分が消えたくなかったんだと悟るのに時間はかからなかった。

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088「焼き切れる」

熱い熱い想いが
いつかぷつりと切れるまで
いつまでもいつまでも
息をしていよう。

あなたのすぐ側で
あなたと同じ夢を見ていよう。

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089「約束ひとつ」

指切りするなら君とだけ。
約束はたったひとつ。
離れた指に感じる赤い予感に
胸が躍って歌いだす。

「また明日」

薔薇の向こうで手を振って。

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090「夢」

夢ですか?
昨日の夢は君がお菓子を焼いてくれる夢で・・・
え?
そっちじゃない?

今日の夢は君と手を繋ぐ夢で
明日の夢は君を抱きしめる夢なんですが・・・。

変なこと言わないで?

なに言ってるんですか。

夢はいつでも見られるんですよ?

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