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□ヒーローは仕事しろ
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あーあどうしよう
とりあえず難しい事、面倒くさい事はごめんだ
私の好きな台詞で「面倒事は大好きだ」ってのがあって、なんかヒーローっぽくて一度は使ってみたいなーと思うのだが…やはり面倒事は面倒事でしかない。あぁなんて面倒だ
どちらかというと今ヒーローに来て欲しいのはこの私だ。頼む助けてくれ

そうだきっと叫べばヒーローは来てくれる
アンパンマンだって叫べばいつだって助けに来てくれるじゃないか
…駄目だなんかもう考え方が現実的じゃない

でもそうだな、とりあえず叫ぶのは悪くない
というかそれとなく発狂したい気分ではある
いやだってこう頭の中で悶々と考えてると頭が破裂しそうだ
よし…助けを求めようじゃないか。うん叫ぼう



スゥ…と、口一杯に息を吸い込み両手でパーをつくる
そしてよく響くように口の左右にそれをポジショニングした

いざ発狂…と思った瞬間
後ろから人の声が聞こえてきた
なんてことでしょう!人が!いるではないでしょうか!あれ?口調が劇的ビフォーアフター?いや今はどうでもいい
そして息がつらい
でもまぁこの息を声を発する方向は変更だ
クルッと後ろを向いてさぁ行って来い私の悲鳴よ

「「「「誰か助けてくれェェ!」」」」

…なんてことでしょう声がハモりまひた
何故れすか誰れすか、何人とハモった今。
というか祝う3回目の私の台詞がなんか存在感ない。大声で叫んだのに
なんて可哀想な私。サブか
どうせ私はサブキャラでしかないのか
私の人生でさえ私はサブキャラなのか
そうかそうなのか。許さんぞ私の人生よ


「畜生ッなんでこんな事にィ!」
「だがここまで来ればもう平気だろ」
「でもよ、他の奴らはきっともう…」

おいおいおい聞こえてくる台詞が怪し過ぎるぞ!これ以上私の存在感を消さないでくれ!
サブかやっぱりサブなのか!
つか最後の台詞言った奴出て来い!ブン殴ってやる!なんだそのフラグは!一体全体何があったんだよ!!お前は多分ドラマとかだったらどアップのシーンに使われるよ!!お前か!お前が主役なのか!くそう!!時よ戻ってくれ!そしたら面倒事は大好きだって叫んでこの状況でもカッコよくポーズとるのに!そしたらきっと私にもスポットライトが!!!

そんなくだらない叫びを脳内で発しても時間は進むようで多分中年男性なのかな。
うむわからん。とりあえずおっさん(複数)の声が近ずいて来た
フフッ台詞的にそっちも困ってる様だが残念だったな!私の方が困ってるんだぜッ(?)
フフッそしてそっちは助けてもらいたい様だが残念だったな!お前らが助ける側だッ(?)

さぁ来いさぁ来い私のヒーローよ

ガサッ

いざ巨大な草を払い避け汚いおっさんが3人、そう3人も出て来てくれた。
あぁでも本当に汚い!なんてこった!不潔気まま利ない!どっちかというと悪党の方だ!でも仕方がない貴方達をヒーローにして差し上げましょう!さぁ!助けてくれ!

「「「う」」」

う?

「「「うぎゃあああああああああ」」」

なんだなんだ どうしたんだ!!
どうしてそんなに驚いてるんだ!
ちょっと傷つくじゃん!そりゃあこんなジャングルみたいなとこで可愛い可愛い女の子にあったらとって食っちまおうぜってくらいの喜びとかあるだろうけど(ないか)流石にその叫びは酷いよおっさん
まるで私が悪党みたいじゃないか

「なんでこっちから現れるんだよッ!!」
「知るかッ!クソッもうお終いだ!!」
「死゛に゛た゛く゛な゛い゛!゛」

待ってくれ待ってくれ
お前ら私と初対面だろなんでそんな台詞が出てくるんだ。困惑という感情しか出てこないぞ なんだなんだ どうなってるんだ
そしてやっぱり最後の台詞言った奴ちょっと前に出ろブン殴ってやる
なんだお前は藤原達也かカイジかなんかか
お前のシーンは全部どアップなのか
きっと私とおっさんとの出会うシーンもあんたらの叫んで全部カメラはそっちへ向くだろうよ!なんて可哀想な私!サブか!やっぱりサブキャラなのか私は!!

ガサッ

そんなくだらない叫びを脳内で発していたら
おっさんとお見合い状態の私の後ろから草を払う音が。
ビクンと私の肩は揺れ、なんで自分はこうも後ろを取られやすいのかと振り返れば

「逃げても無駄だ」

まっくろいスーツの

「この海のゴミ屑が」

悪党があらわれた。


(待って全員悪党じゃないか)
(ヒーローは仕事しろよ!)

残念そのまっくろがきっと

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