main
□貴方がシレイ・カンさん?
1ページ/5ページ
「ルッチさん」
「なんだ」
「まだ着かないんですか」
「あぁ」
「船降りてから結構歩いていると思うんですが、まだ着かないんですか」
「あぁ」
「車が必要な距離を歩いてますが、まだ着かないんですか」
…無視された
というか遠くないか?広くないか?
疲れては無いけど、実は私、軽く船酔いしている。そりゃあの量の料理を食ったんだ、仕方がない許してくれ
あぁもう1〜2キロは歩いたぞ吐くぞ
車を出してくれ車を。あぁだがしかしそれも吐きそうだ
まぁ、歩き始めた時は見たことある風景にテンションは高まる一方だったが、この距離は無いだろう。
なんかそれとなく漫画で見た事ない道を使ってるから専用の近道っぽくはあるが遠い。
なんだなんだ皆さん船や電車…と、ここでは海列車か。
そーいうのに乗りに行くのに、こんなにも歩くのか。…あぁ面倒臭い
どうやら私は面倒臭がり屋らしい
ならばやはりあの台詞は一生使えないな。悲しい
私にもあの空を蹴って飛ぶ技?が出来ればビュンビュン進めるのに
…出来ても今やったら吐くな。
体を揺らしたくはない
ってかあれ?
「ルッチさん」
「なんだ」
「ルッチさんいつもここ歩いてるんですか」
「そうだ。お前はもう黙「あ!見えてきた!あれっすか!!」
「うるせェ騒ぐな」
「うっひょーデッカイイイテェ!!!!痛い痛い!!!ルッチさん放して!!私の前髪を放して下さイイイテェ!!!」
「お前の口を縫い付けてやろうか」
「ごめんなざいごめんなざい、私先端恐怖症なんです、そんな事言わないでください。そして出来れば私のおデコの面積が広がる前にその手を放してくださ痛いです」
痛い痛いハゲるハゲてしまう
つか、なんかおかしくないか
ルッチさんいつもここ通るのか?
「お疲れ様です」
あ、海兵さんだ。…ん?違うな
まっくろいスーツだから政府さんだ
「降ろせ」
「…え、橋をですか」
「他に何があるさっさとしろ」
「は、はいッ!!」
政府さんめっさビビってる
分かるよ。怖いよねこの人
つかやっぱりおかしい
この人いつもここ通るのか?
「おいチンタラするな」
「う、ういっす」
うわぁ高い高い!!下に落ちたら死んじゃうよこれ!!!
橋がコレまた広いから直接下が見えるわけではないけど、この滝の音でチキンの私には十分怖いよ!!かなりの高さだよ!!
いや、別にこの滝の音とかで、どのくらいの高さがあるのか分かるのか!って言われたらそりゃ分かるわけねーだろってツッコミ入れるけど!!!
うわぁ!!!オイこの橋安全だろうな!!!
な、なんとか橋を渡り降り…
コツン
「ウワァッ?!」
ドタァァ!!!
…渡り転んだ。痛い
もう嫌だ石につまずくとか!痛いよ!私の体はボロボロだよ!!実は船でもらったこの靴デカくて歩きづらいんだよ!!でも裸足なんて嫌だよ!!異端だよ!!私のジャストフィットの靴はどこいったんだよ!!!つか転んだ場所がもっとあっちだったら私の橋から落ちてたよ!!!危な過ぎるだろ私!!!どんだけおっちょこちょいだよ!!!死ぬところだったぞ!!!!
あぁでも、やっとだ
やっとここまで
ここが
「ここが司法の塔…お前の職場だ」
.
(あぁ 旗は、まだ靡いている)
はくりょくまんてん