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□怪力オバケさんお名前は?
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うわーやっちゃったー
うっかり海兵さんに怒っちゃったよー
うっかり八兵衛もびっくりするような展開だーあーうっかりうっかりだァー

ぶっちゃけ言うとまだここが"どっち"の世界だかわかってないんだよねー
実に面倒くさい。どうしてみんなスパッと言ってくれないんだー
ズルズルと引っ張りやがって!!どうせ大したオチもないんだろ!もうこの際スパッと言ってくれ!!

…あぁ本当はもう何となく知っているんだ!分かってるよ!!だってさっき海兵さんがこの怪力オバケに向かってあの名前出してたし、ペットも居るし(触りたい)、海賊にも会ったし、みんな日本語だからここ日本の筈なのにこんな海知らないよ。いや、別に海が詳しいわけじゃないけどさ
この窓から見える景色が日本のその辺にあってたまるかってんだ!!なんだあの怪物は!!恐竜か!!それともポケモンか何かか!!どっちにしろ私の住んでるJAPANじゃねェーよ!!うわっ跳ねた!跳ねたよ!!で、でけェェェ!!!!

ゴツンッッ!!!

「イッテェェェ!!!!!」
「少しは大人しくできねェのか」
こ、この怪力オバケ
私の頭掴んで窓にぶん投げやがった…

「何するんですこの怪力マン!!」
「さっきからブツブツと。黙ってられねェのかお前は」
「うっそぉ!!私声に出てました!?」
なんて漫画ちっくな私!!!てへっ

ゴンッッ

「イッテェェェ!!!!!」
こ、こいつわざと窓にぶつけたところに拳骨を…!!
怪力マンの肩にいる鳩ちゃんもお手上げだ、と言わんばかりに両手を上げている
ひどいよ鳩ちゃん…

「言っときますけどね!私はこれでも運動音痴で料理音痴で歌も音痴なんですよ!」
あ、泣けてきた

「…だから何だ」
「そんなか弱い私にこんな事して。貧弱な私はすぐ死んじゃいますよー。そしたら貴方!なんの関係のない一般人を殺したってニュースになりますよ!」

良いんですか!っと最後には鼻息をフゥーンと鳴らせばこの怪力野郎は

「あぁ。問題ない」

おいおいおいなんだお前は
世界の中心は俺だ!的な奴か

「そんなんだからさっきみたいに海兵さんに嫌われちゃうんですよ!!」

このアンポンタンが!っと腕を組む私だかそこでハッと気づく
し、しまった!自分からこの面倒くさい話題を…!!
あぁ!鳩ちゃんが溜息ついたよ!
ってか溜息つけるんだ

「な、な〜んちゃって、、、ははっ」

あ、やぶぇ。なんだこの空気…
そう思っていたのにこの男ときたら、

「あぁ。問題ない」

なんだなんだこの男は!!
どんな俺様だ!むしろ意地っ張りなのか!
いや、そんな可愛らしいキャラじゃない!!やっぱり俺様だ!!俺様様だ!!!
もうやってられない!そんなやさぐれた気分でもうファミレスでもお見合いでも、どうでも良くなってきているソファーにドカッと座れば
「そんな事より」
「はい?…グヘェッ」

首を 掴まれた

「ぐるじいですぐるじいです」
「お前は一体何者だ」
いや、お前は一体何をしている!
今言ったろ!!私は一般人だ!お前みたいな怪力オバケが本気出さなくても死んじゃうんだぞこっちは!!そしてまたその質問かよ!!私が聞きたいわ!!!

「さっき俺は言ったよな」
「ぐるじいですぐるじいです」
めげずに今の気分を伝えてると、更に首を絞める力が強くなった!なんてこった!!本当に死んじゃうわボケェ!!

「俺は気が長くはない、と」
あ、やばい。ちぬ

「ば、ばだじは名無しの権兵衛と申じまずッ!!」
必死に残りの酸素でそこまで言うと、首を絞めている手が少し緩いん

…緩まない……
何故だ。答えたのに

あぁもう苦しい!!
冗談なしに死んでしまう!!

「名前なんてどうでもいい。どこの者だ」
し、知らねェーよ!!!強いて言うなら日本の者だ!!!…あ、もう酸素が

今行くねお爺ちゃん…私は今からそっちに…

「あぁ締め過ぎたか」
「ブハアァァァ!!!」
行かなかった。

ブハァブハァ…と女を捨てた息の音がするが今は無視だ。生命に関わる問題だからね

「危なかったじゃないですかァァ!!」
「惜しかったな」
「ぶっ殺しますよ!!」

なんなんだこの男は!!!と憤怒という感情が溢れかえっていたのだが何故か男の顔を見たら一瞬にしてその感情が消えた

笑ってやがる…
隠しもせず堂々と。しかも少し顎を出して私を見下すように
さっき見た悪党のような笑みを

「面白い女だ…こうも殺されかかっているというのに何度も反発してくる」
なんだなんだ

「女、俺が怖くないのか」

何言ってんだコイツ
そんなの、

「そんなの怖いに決まってんだろうがァァ!!!こっちはな!!何回殺されかかってると思ってんだ!!」

ふざけんなよこのアンポンタン野郎がァァ!!!何様だ!!俺様か!!!様様かァァ!!と叫びながら両手をこのお見合い式ソファー(?)の間にあるテーブルに向かって思いっきり叩きつければ
「痛ィィィ!!!」

ただ痛かっただけだった。

(痛い痛い手が痛いです)
(………)

どうしようヒロインちゃん馬鹿だ

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