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そんな出来事があってから、更にもう二週間が経とうとしていた。

なんというか……

学園の雰囲気が悪い。

まぁ理由はわかっているんだが。

「なぁなぁ!今日はどうする?!皆でトランプか、二人で遊ぶか!!」

俺の友達のせいだ。

あたりまえのように腕を絡めてくる光。

途端に周囲がざわめく。

「いやー!あんたなんかが気安く触っていい相手じゃないのにっ!」

「しかも生徒会の皆様にも近づこうだなんて…!!」

あぁ、クラスメイトの視線が痛い。

それに対し光は隣で何やら喚いている。

………うるさい。







この二週間でいろいろなことが起こった。

まず、光は転校初日にして副会長を除いた生徒会のメンバーに気に入られた。

光の容姿はその……

友達にこんなこと言いたくないが、はっきり言ってオタクだ。

もちろん親衛隊がそれを受け入れるはずもなく。

制裁と言う名のいじめがスタートした。

そして、それをよく思わないのが光を気に入っている生徒会の連中だ。

今は居ないようだが、光を守るためとか言って朝から晩まで光に引っ付いている。

あいつら、いつ仕事してるんだよ…。

ちらりと隣の光を見る。

「ん?どうした春樹!やっぱり二人で遊ぶのがいいか?!」

はぁ…。

そしてなにより一番困っているのは、こいつが俺を連れ回すこと。

どうやら俺はかなり気に入られているらしい。

生徒会連中を見る目と俺を見る目が違う気がするんだよ。

熱が籠ったような視線…。

なんかこわいぞ。

その証拠に生徒会連中は親の仇を見るような目で俺を睨んでくるし。

ーーガラッ_…

「光。授業には出なくていいって言っただろ。」

「親衛隊なんかと一緒に居たら、危ないでしょ〜?」

「光……生徒会室…行く。」

噂をすればだな。

迎えが来た。

どうせまた、光が騒いで俺も連れてかれることになるんだろう。

………最悪だ。


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