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理事長side
あぁ…やっと、やっと会える。
三年前、寂しそうに学園を去って行ったあの子に。
あの頃の私は、去ってゆくあの子を引き留めることができなかった。
そのことに何度後悔したことか。
しかし、あの子は言った。
『三年後、必ず戻って来ます。彼らに復讐するために。』と。
駄目だ。綺麗な君に復讐なんて似合わない、そう思った。
だけど、それを言ってしまえば二度とあの子に会えなくなる気がして…。
ずるい私はこう言ったんだ。
『ならば三年後、君が帰ってきた時にこの学園が変わっていないことを約束しよう。君の手で彼らに復讐するんだ。』
その言葉通り、生徒会メンバーはあの時のままだ。
復讐でも何でもいいから、彼の心をこの学園に縛りつけておきたかった。
学園が崩壊仕掛けても、生徒達が何を言ってきても、生徒会メンバーは変えなかった。
最低なのかもしれない。
それでも、もう一度彼に会いたくて…。
―−ー…コンコン
控え目に聞こえてきたノック音。
「失礼します。」
聞こえた声に私は、はっとした。
この声は!聞き間違える筈がない!!あの子の声だ。
三年間待ち望んでいたあの子の声…。
私は胸が高鳴るのを感じた。