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信じらんない。

「あっ…ぁあん…ぁああ!」

目の前の教室から聞こえてくるあえぎ声。

そこに居るのは可愛らしい顔をした知らない男と…俺の彼氏。

なにこれ。

話があるっていうからここに来たのに。

わざわざ人を呼びつけたのは、これを見せるためだったってわけ?

…あぁそうか。

つまりこれは別れたいってことだよね。

いいよ、そんなに別れたいなら別れてあげるよ。

もう絶対浮気しない。

何度も聞いてきたその台詞。

でも今回は、それじゃあ許さないから。






―−ー…ガラッ

思いっきりドアを開ける。

その音に驚いたのかビクッと身体を揺らす彼ら。

ふん、いい気味。

「朔!?何でここに…そういえば今日…っ」

みるみる顔が青ざめていく紫音。

え、何その反応。

まさか呼び出しといて忘れてたの!?

もしそうならヒドすぎ。

「…え、なんなの?」

抱かれていた彼は状況についていけないみたい。

紫音と俺の顔を交互に見つめてくる。

「約束してたよね。…まさか忘れてた?」

笑顔でそう問う。

今までなら怒ってただろうけど今回は違う。

俺達は別れるんだから、もうこいつが誰とヤろうが関係ない。

そんな俺の様子を不振に思ったらしい。

「……朔?」

心配そうに俺の名前を呼ぶ。

そんなことしたってもう遅いよ。

「ねぇ、別れよっか。」

はっきりと言ってやった。


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