爆転

□結成!最強のユーロチーム
1ページ/3ページ

「何だよ」
「どうだろう、一晩泊まっていくか?遥々此処まで来たんだ。このまま帰らせるのは、あまりにも悪い」
ラルフなりに、礼儀があるのだろう。これには一同賛成した。
「それは有り難い。タカオ、此処はその言葉に甘えないか?」
「まあ、レイがそう言うなら・・・」
「ならヨハン。部屋と先に風呂だ」
「畏まりました。お部屋はこちらです」
ヨハンに連れられ、二階の客室へと案内された。
「こちらでございます」
「広いな・・・」
「では、次です」
次は、一階の風呂場へと案内された。
「此処が、風呂だって・・・?」
「Wow!すっごい豪華ネ!」
50mはあるであろう風呂。金持ちの代表として知られる、ライオンがあった。ライオンの口からは湯が出ている。
「タオルは此処に置いてあります」
そう言って、下がるヨハン。ヨハンと入れ替わり、ラルフ、ジョニー、オリビエ、ジャンカルロが入って来た。
「何驚いた顔をしているんだ?こんなの、普通だろう」
いやいやラルフ様、一般庶民からしたら、桁違いの凄さですよ。




タカオはこの豪華な風呂で泳いでいる。
ジャンカルロとマックスは二人で背中を洗い合いしている。
カイは一人で浸かっている。
ジョニーとオリビエ、ラルフはレイの所に集まっていた。オリビエはレイの髪を洗ってくれている。ラルフとジョニーは体を洗っていた。
「しかし、本当にレイの黒髪は綺麗だ」
「ありがとう・・・」
今度はオリビエに口説かれている。
「しかし、まさか君が本当に男だったとは・・・」 ラルフ
「僕も驚いたよ。やたらボーイッシュな格好をしていると思っていたけど。・・・どうして髪を伸ばしているんだ?」 ジョニー
「えっと・・・、中国に居る俺の仲間が、レイは顔が女みたいだから伸ばしていた方が綺麗って言ってて・・・。そのまま伸ばしっぱなしなんだ」
「なるほど。その事を言った人は正しいね。・・・あ、ラルフ。確か・・・、随分前に君に気がある女性が此処に泊まりに来た時に置いて行った服が、まだ残っているよね?」
「ああ。オリビエが残しておいてくれって言ったから、まだある」
「よし」
何が良しなのかは分からないレイ。
「それにしても、オリビエの洗い方は優しいな」
「まあ、洗うのには、慣れているからね」
なるほどな、と頷く。
その光景を、カイは怒りを静かに込めて見ていた。
「カイ!顔が怖いネ」
「レイが盗られそうで、邪心の炎でも燃やしているのか?」
身体を洗い終わったマックスとジャンカルロがカイの隣に来ていた。
「・・・五月蠅い」
「レイは綺麗だからね〜。皆が狙う理由もわかるさ」
「貴様、今すぐ沈めてやろうか?」
「ジョークさ!」
冷や汗をかくジャンカルロ。
「・・・マックス、あっちに行こう」
「そう、ネ・・・」
二人とも、身の危険を感じて、カイから遠ざかった。ムスッとするカイ。レイが盗られることはないと思うが、・・・。






あれから皆30分以上は風呂に居た。そして出て、服を着た。だがレイだけは、先程の服が無かった。
「あれ・・・」
「レイの服なら、こっちだよ」
着替え終わっていたオリビエから渡された服は、どう見ても女物にしか見えない服だった。
「・・・これは?」
「絶対レイはそっちの方が似合うさ。あ、君が着ていた服はもう洗濯物に出したから」
ガクッとなるレイ。やられた・・・!
「まあ良いんじゃない?どうせ此処には、僕たちしか居ないんだから」
まあジャンカルロの言う通りなのだが。カイのセーブが効かなくなる可能性があるのだ。
レイは仕方なくその服を着てみた。
「Wow!レイ、お姫様みたいネ!」 マックス
「女性でもその服を着こなすのが難しいのに・・・。流石レイだ」 オリビエ
「・・・」 カイ
「何か、すげーな、レイ」 タカオ
「(カイの表情が、いろいろまずいことに・・・!)」 キョウジュ
「やはり似合っていたか」 ラルフ
「こりゃ、女性も負けるね」 ジャンカルロ
「・・・本当に綺麗だ・・・」 ジョニー
レイが着ているのは、チャイナ風のドレスだ。赤いチャイナ服が、レイの黒髪とマッチしている。黒い長い髪はまだ濡れているので、結んでいない。寧ろ結んでいない方が、可愛さをより引き立てる。
「みんな、そんな口々に言うなよ・・・。恥ずかしい・・・」
皆レイの綺麗さに見惚れてしまっていた。カイは、自分を抑えるのに精いっぱいであった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ