松永さんと○○
□松永さんと夏祭りT
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「ほぅ‥この時代の祭りとはこのようなものなのかね」
『はいっ!
やっぱり久秀さんがいた頃の時代とは違いますか?』
「そうだね‥この屋台とやらは少なかったかな」
今日は久秀さんと初めて一緒に夏祭りに来た。
しかも滅多と着ない浴衣で。
どうしても久秀さんの浴衣姿がみたくて一緒に買いに行った。
その時、私の浴衣姿をみたいと言われたので新調してみた。
普段着慣れてない浴衣と歩きなれない下駄とで危うい足取りだった私だが、久秀さんの完璧なエスコートにより祭りを楽しむことができていた。
『久秀さん!リンゴ飴です!
あっ!たこ焼きもかき氷も‥!』
ついつい普段馴染みのない屋台にテンションが上がり一人で盛り上がってしまう。
「慌てないでくれたまえ。
1つずつ巡っていけば良いだろう?」
『はいっ!!久秀さんも何か食べたいものがあったら言ってくださいね?』
「ふむ…」
苦笑気味の久秀さんに宥められつつ、さり気に全て買うと約束した気がするが今日は楽しむと決めた。
「それにしても賑やかなものだね」
先ほど言った通り、久秀さんの目についた食べてみたいものを片っ端から買食いしながら祭りの中を練り歩く。
『お祭りですからね‥
久秀さんは静かな方が好きですか?』
「いつも卿のような人間といると不思議と嫌ではなくなるものだよ」