短編集

□雨の日と私
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ザァザァと雨の音が聴こえる。
こんな日は世界中で私だけが一人ぼっちのような気がしてならない。
元親の帰りが遅いと悪い方に頭が動いてしまう。
また昔の時のように。


‥あれ?私は今ここにいる‥?
ちゃんと存在してるの?

確かめなきゃ。


引き出しの中に入れてあるナイフを取り出す。部屋の灯りをうけ銀に輝く刃。
それを痕のついた二の腕にもっていき、ハッとする。
 
約束したじゃないか、元親と。
俺が帰るから切るんじゃねぇぞと。
辛くなったら電話してこい。いつでも出てやるから。

ナイフを机の上に置き直す。
そしてケータイを変わりに手に取る。
電話帳の一番上、元親の番号に発信しようとして‥やめる。

今の時間は11時。
もしかすると帰りの電車かもしれないし、まだ会社かもしれない。

画面を待ち受けに戻し机の上に置いた瞬間
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