短編集

□鏡の2人
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『もうトシなんて嫌いっ!!』

「あーあ、そうかよ!!
俺もてめェの顔なんて見たくねェ!」

『‥…』

自分からふっかけた喧嘩なのに泣けてきてしまった。
ホントはこんな事を言うつもりじゃなかった。
仕事、お疲れ様っ!と元気に言うつもりだった。
なのに‥…つい言ってしまった。

トシのいる部屋から出て、頭を冷やす。
頭が冷えてくると自分の愚かさを思いしった。
‥…もしトシが私を捨ててしまったら
‥…もう会えなかったら
そんな思いが渦巻く。
やっぱり、あの時謝ればよかった。

『‥…うっ‥うぅ』

‥…ごめんなさい
この一言が言えない
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