短編集

□音jealousy
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私は今、猛烈にハマっているものがある。世間を騒がしているボーカロイド‥初音ミクではなく神威がくぽという男性ボカロだ。

仕事からの行き帰りはもちろん、家に帰ってからもずっとヘッドホン、イヤホンの活躍中だ。

『ふふーん♪』

色気のある低音ボイス。耳にながれる独特の電子音。

霧姫の頭を占めているのは、今している仕事が4割、がくぽが6割だった。

この状況がつまらない男が1人。

「‥…‥…霧姫」

この男は長曾我部元親。霧姫と同棲中の彼氏だ。

今は7時。
霧姫は定時で帰ってきてるので少なくとも一時間はこの状態だ。

(こいつ、最近俺が帰ってきたのにも気づかねぇ‥)

ルンルン気分でパソコンに向かい仕事をしている霧姫と対照的に、帰ってまだ部屋着も着ていない元親。

しかも、霧姫がつけているのは外音遮断性の高いイヤホンで周りの音が聴こえてない。

要するに‥

(悪戯し放題ってわけだ!)
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