今日はなんの日?
□春の足音
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私は安芸の智将、毛利元就の妹。
そしてカラクリ師でもある。
そんな私と元親さんとの出会いは‥…衝撃的で未だに忘れられない。
兄様が大友様の変な宗教に心奪われていた時、私の得意なカラクリでザビー様(だったと思う)を作れとすごい気迫で迫られていた。何度断っても聞き入れてくれず‥しょうがなく作ったのだが
「おい、毛利!!
そのカラクリ‥誰が作ったんだい?」
その宗教に元親さんを勧誘した時、気に入られたのが始まりだ。
表上は毛利と長曾我部の条約の為の政略結婚だったが、兄様も私が元親さんと恋仲だったのを知っていたと思う。
だから、てっきり後悔などしていないと思っていたのだけど‥
何かと理由をつけては此処に来ている。
今日もまた
この大男二人を説教しなくてはならない。
『元親さん。そのカラクリはまだ完全体じゃないでしょう?
私の幾日の徹夜を無駄にするつもりですか?』
「うっ‥」
「貴様‥…わが妹にそんな事をやらしているのか!!」
自分のことを棚に上げ、文句を言う兄様。
悪いのは元親さんだけじゃない。
『兄様も兄様です!毎回来ては元親さんと喧嘩して‥
どれだけ嫁いだ妹に未練たらたらなんですか!』
「ぐっ‥…」