守護霊でいず!!!
□Gの話
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夕飯を食べ終わった後。
霧姫は風呂に入りに行き、俺は風呂に入る必要がない(なんてったって守護霊だからな)ので台所の片付けをしていた時のこと。
『もとちちちちかぁぁぁぁ!』
「ぬぁ!!」
素肌にバスタオルを巻いただけの霧姫が大声で叫びながら後ろから抱きついてきた。
動揺して皿を取り落としそうになったぞ。
『風呂場にGが!!G!!』
「じぃー?」
『そう!奴の頭文字G!!
こんなことをしてる暇ないわ!
早く!私の守護霊!!守って!』
意味がわからない。
その"じぃー"とやらは何なんだ。
とりあえずそれが出現したという風呂場に向かう。
『元親!!素手で殺すなら今後一切私に触れないで!!』
ますます意味がわからない。
そして何もわからないまま風呂場に行くと黒くカサカサとすばしっこく動く黒い物体。
「こいつぁ‥…ご『その名を呼ぶなぁぁ!!
そいつはな!一匹出たら百匹はここにいるんだよ!ひゃ、百匹‥…じ、Gがぁぁぁぁ!!』
奇声をあげながら自室にこもる霧姫を見送って、再び風呂場へ。
そいつを退治するにしても手元にあるのは彼女の普段から使うものばかり。それで退治したら確実にそれを使わなくなる。
(しゃあねぇな‥)
宙に手を伸ばし空を掴む。
呼んだのは俺の武器、八流。
彼女を守る為に使う、かつての俺の相棒。
‥血なまぐさい世界から出て使うことはないと思っていたが、こんなものを倒すために使うことになるとはな‥
「おい、退治してきたぞ」
『ありがとぉぉぉぉ!!』
いつの間に着替えたのか、いつもの部屋着に着替えて俺に抱きついてきた霧姫。
『本当にありがとう!
元親は命の恩人だね!!』
「大袈裟だろ、それは」
いいの、と霧姫は微笑むと
『だって元親は私のヒーローだもん。
強くてかっこいい海賊さん!』
と俺に抱きついてきた。
(‥ちなみに元親。
奴をどこに捨てたの?)
(あ?死骸なら屑入れに‥…)
(‥…次のごみ出し元親行って。
あと休みの日はG対策として薬をまくよ)
(いや、死骸は動かねぇから。
‥どんだけ必死なんだよ)
END
2015/11/16