守護霊でいず!!!

□体育といえば‥…
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『ね、元親』

私が神妙な面持ちで尋ねると急に顔をシャンとしだした元親。

「何だ?」

『…守護霊って何でも出来るの?』

「まぁ大抵のことは、な。
主を守るってのが俺達、守護霊の役目だ。その為なら出来るぜ」

『私の望むこと‥叶えてくれたりする?』

すると元親は呆れた顔をして

「言っとくが‥
雨はふらせることは出来ねぇよ」

『‥…‥…』

最近、晴れの日が続いている。
いいことだ。
洗濯物も乾いて気分まで上がる。
だけど今日だけ‥いや、そんな贅沢言わない。
この授業だけは

『雨がいいよぉ!!』


それは悪夢のような授業だ。
永遠に同じ景色の場所を走り続けないといけない、拷問とも等しいもの。
そう‥…持久走と呼ばれるものだ。

「100kmも走るんじゃねぇからよ。
ほら、この前見てたナントカよりはマシな距離だろ?」

『フルマラソンなんて走れないわよ!!
っというか、走りたくないものは走りたくないのよ!
人間は走らなくたって生きていけるわ』

刻々と迫る体育の授業。
どうにかして走ることだけは回避せねば‥!

ここはもう‥
仮病しかない。よし、元親をとりあえず騙して保健室だ。

『うっ!お腹の調子が‥…!!』

「めいいっぱい飯食ってたからな。
食い過ぎだろ」

1回で挫けるもんか!!

『うっ!頭痛が‥…!!』

「遅くまで起きてるからだ」

まだまだ!

『くっ!足が‥…!』

「日頃、動かさねぇからだろ」

‥…‥…‥…。

『腕‥…』

「走るときには使わねぇよな」

‥…‥…‥…‥…‥…‥…。

酷いと思う。
少しは心配してくれてもいいんじゃないの?!

『もー!これがホントだったらどうするのよ!!』

「俺が霧姫の不調を見分けれねぇなんてことあるかよ。
誰の守護霊だと思ってんだ」

ふ‥…不覚にもキュンッときちゃいましたよ!

すると元親は優しい顔で私の頭に手をのせ

「ほら頑張れ。
俺も一緒にいてやるからよ。
もちろん、頑張ったら褒美もやるしな」

ふふふ‥
そんなことで私が簡単に承諾すると‥…

『頑張る!!!』

知ってたのね!!

END

2015/06/19 霧姫

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