守護霊でいず!!!

□星の話
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星の瞬く春の夜。

気分転換の為にベランダに出てはぁ‥と溜息を出す。
もう冬の時みたいに白い息がフワフワと舞っていかないのが残念。

あれは冬の楽しみなのに‥
人前でやるなよ、と何回も元親に言われたけど譲れない。

「何してやがる霧姫」

ガラッとリビングから繋がるドアが開き元親が外に出てくる。

眉間にシワが‥ありゃりゃ?
何です?その怪しい笑みは。

その笑みを完全にスルーしてここにやってきた理由を話す。


『星、見ようと思って』

「って出て何分たったと思ってんだ」

頬も冷てぇし、と私の頬に手をあて目を細める。
私からしてみるとほんの少しの時間だったけど、思いの外時間がたっていたらしい。

『だってさ、夏になったら空が低く感じちゃうじゃない‥
綺麗に見えるうちに見ないと損だよ!』

「まぁ‥そうだけどよ」

そう言いながら私の手をさり気なく握る。
思ったより手の温度が温かくて自分の体が冷えていた事を知る。

『温かいね‥元親の手』

大きくて硬くて、でも優しい手。
いつも私の隣にいて話を聞いてくれる存在。

『恵まれてるなぁ私』

「あぁ。俺という優秀な守護霊が憑いてるからな」

『自分で優秀とか言う?!』

佐助の方が絶対に優秀なんじゃないかな‥とは口が裂けても言えません。
あはは‥と笑いながら横目で元親の横顔を見る。

(‥やっぱり格好良い)

っとは言ったら図に乗るから言わない。
誤魔化すために再度上を向いて星を見る。

『ね、元親。
今見えてる星ってもうなくなってるかもしれないって知ってた?』

「いや初めて聞いたぜ」

今年見えていた星も、もしかしたら来年には見えなくなるかもしれない。

『そう思うと目が離せないのよ』

輝く星々達。
私達のようにいつか消えて忘れられてしまう小さな小さな存在。


「またしょうもねえこと考えやがって‥
確かに俺や霧姫が消えて忘れられるかもしれねぇけどよ‥」

ポンっと頭に手を置かれぐしゃぐしゃと撫でられる。

「今はちゃんとここにあんだ。
んなこと気にしてる暇なんてねぇだろ?」

不覚‥
イケメン顔でそんな事を言われたら負けてしまうぅぅ!!

顔を上げ元親を見るとニヤリと笑われて‥

『今やっぱり元親がカッコイイ事を再確認した!!』

「前々からわかってた事だろ?
俺は今でも覚えてるぜ。最初にされたあの告白‥」

『うわぁぁ!!早く忘れてぇぇぇ!』

END 

あれ?
何か夢主ちゃんの言動が違うような‥

2015/04/06 霧姫

 

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