シザンサス

□11,空島最終決戦
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「あ、いた!」

「うおおおっ、ロビ〜ン! ティオ〜!」

ナミとウソップが揃って手を振ってくる。

アイサが手を振り返した。

「ナミ〜!」

「アイサ! 良かった、無事なのね!」

「うおっ!? ゾロ!? チョッパー!? 変なおっさん!? ゲリラも……。ちくしょう! みんなやられちまったのか!」

「あ、そうだアイサ、ルフィはどこ? 一緒じゃないの?」

「ルフィなら今、ツルを登ってエネルのとこまで行ったんだよ?」

「えっ!?」

ナミはジャイアントジャックを見上げる。

「しまった、すれ違い!?」

「たった今よ。止めようとしたんだけど……」

「もう、3ぶんの1、のぼってる」

「間の悪い奴だなぁっ、もう時間がねぇんだぞ! すぐに脱出しねぇと!」

「……いいわ。あたしがウェイバーで追いかける。みんなは先にメリー号へ行って脱出の準備を!」



"ズドォンッ"



「きゃあっ!」

「うおわぁぁっ! 何だ今のでっけぇ雷は!」

「もう時間がないわ……あたしがルフィを迎えに行くから、みんなは早くメリー号へ!」


"ブゥゥンッ!"


ナミはウェイバーのエンジンをふかし、ジャイアントジャックを登っていった。

それを見上げていたアイサは、ふと、目の端に写った人影に振り向く。

「え……ワイパー?」

今の大きな雷で目が覚めたのか、いつの間にか、ワイパーが空を見上げていた。

ゾロとガン・フォールも、続くように目を覚ます。

「……うっ、げほっ!」

「う、ぬう……」

好機と、ウソップが声を掛けた。

「オメェら目ぇ覚めたか! 時間がねぇんだ、歩けるか!?」

「……エネルの奴、始めおったか」

「急ぎましょう。ここにいても何もできないわ」

先ほどの雷に引き続き、次から次へと雨のように雷が降ってくる。

ティオはエネルとルフィとナミの反応を追っていた。

「えねるの、ふね、すごく、はやい。このままじゃ、るふぃ、おいつけない」

「エネルがツルの先端に達するのも、時間の問題ね」

「そこにエネルは何を目指すというのだ」

「その先にある、黄金の鐘よ」

「鐘?」

「!」

ワイパーが目を見開いて振り向く。

黄金の鐘。

それは、カルガラが友人のノーランドのために鳴らしたかったというあの鐘。

シャンディアの民は、そのカルガラの遺志を継いで、今まで戦ってきたのだ。

「黄金の鐘……貴様そう言ったか?」

「えぇ」

「ちょ、オメェら何で悠長に話し始めてんだよ!」

ワイパーはウソップを無視して、ロビンに近寄る。

「エネルはそれを狙ってるんだな? 一体どこにあるんだ」

「待てって! 今はそんなこと言ってる場合か!? 見ただろ今の雷! 早く逃げなきゃ死んじまうよ!」

「この大きなツルの、頂上付近よ」

「何故だ、何故それが分かる」

「っておい聞けよ! 先に船で待ってるってナミと約束しただろ!」

「下にあるシャンドラの遺跡の中心部を、大地ごとツルが貫いている。その中心部に大鐘楼があったと、遺跡で見つけた地図に記されていたわ」

「ガン無視っすか……」

大声を出し続けるのも疲れ、ウソップは項垂れた。

ロビンは変わらず話し続ける。

「鐘はツルに突き上げられた衝撃で、さらに上へと突き上げられた可能性がある」

「……そうか」

「なっ、まさかワイパー、このツルを登るって言うんじゃ!」

アイサが慌ててワイパーを止めようとしたところ……

「うおっ!? お、おいみんな! ツルから離れろ! 何か落ちてくるぞ!」

ウソップの一言で全員その場を飛びのいた。


"ヒュウゥゥ……ドスッ!"


「これは、ツルの先端? 上でいったい何が起こっているのかしら……」

ティオが、上を見上げたままピクリとも動かず、淡々と言う。

「いま、るふぃ、もうちょっとで、えねるのとこ、たどりつきそう、だった。でも、かみなり、うけて、おとされた。それがあたって、これ、おちてきた、みたい」

「なにっ!? ルフィは落ちてくるのか!?」

ティオは首を横に振る。

「とちゅうの、はっぱ、つかまって、うえ、もどった。……それと、なみちゃん、るふぃに、おいついた」

「ねぇ、あれを見て」

「「「?」」」

ロビンの一言で、全員の視線がエンジェル島の方を向く。

そこには、巨大な丸い雷雲の塊が在った。

「何だありゃ!?」

 
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