シザンサス

□8,VSシャンディア
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「チッ、またかよ……おいお前! 神官じゃねぇんなら何も仕掛けてくるな! 俺は先を急いでるんだ!」

「……そう、おもうなら、てぃおの、いうとおり、すすんで」

「何か言ったか?」

「……なんでもない」

2人が問答をしている間に、現れたブラハムは目の前に立つ。


"パァンパァンッ"


続けざまに放たれた弾丸。

それは閃光弾だったようで、ゾロもティオも顔をしかめた。

しかし覇気で相手の行動を読むティオに、めくらましは通じない。

「だんがん、2はつ、よけて!」

「!」


"パンパァンッ"


間一髪、ゾロは身をそらした。

やがて閃光弾の光も収まり、ブラハムの姿が目に映る。

彼はスケートタイプのウェイバーで空へと舞い上がっていた。


"パパパパパンッ!"


またしても厄介な閃光弾が連射される。

「くそ……っ」

ゾロは超人的な反射神経でよけ続けた。

しかしどう頑張っても、閃光弾が放たれるたびにブラハムを見失う。

攻撃をよけてはキョロキョロするを繰り返していた。

……ただし、ティオにそれは効かない。

戦いの隙に、ティオはゾロから離れ、樹の影で人間姿に戻っていた。

そして閃光弾の光を逆に利用し、ブラハムの背後へ瞬時に忍び寄る。

「せなか、がらあき」

「!」

ブラハムが気づいたときにはすでに遅く……

しがん(指銃)

"ドスッ"

「うぐっ」

鋭い一撃が、ブラハムの背中に直撃した。

しかしさすがは実力者。

すぐさま体勢を立て直してティオに拳銃を向ける。

そる()


"シュッ"


銃撃を逃れるため、ティオは素早く身を引いた。

そのまま、目にも留まらぬ速さででゾロの隣へ戻ってくる。

「……チッ、ナメてたよ。悪かったな青海人」

ブラハムは地上に降り立ち、拳銃を構え直してゾロとティオを見た。

今度は本気で来る。

そう感じてティオも臨戦態勢をとった。

……しかし。

「?」

目の前にゾロの手が出てきた。

「アイツは俺の獲物だ。手ぇ出すな」

ティオは横目でゾロを見上げる。

表情は真剣そのもの。

「あいしょう、わるい。かてる、の?」

遠距離型で飛ぶ相手に、飛べない上に接近戦を得意とするゾロが勝てるとは、ティオには思えない。

すると、ゾロは黒い笑顔を浮かべた。

「勝てるか、だと?」

「!」

自分に向けられた視線に恐怖を感じて、ティオは肩を揺らす。

「愚問だな。……とにかく、テメェはすっこんでろ」

「……」

ティオは小さく頷いて、その場から離れた。

十分に距離のある大樹の影に隠れ、様子を伺う。

目の前の敵より何より、ゾロの邪魔をしたらどうなるか。

そっちの方が怖かった。

「待たせたな」

「構わんさ。子供を戦場に立たせたくない気持ちは良く分かる」

「そんなんじゃねぇよ。俺がテメェを斬りてぇだけだ」

「フン、ぬかせっ!」


"ブウゥゥンッ!"


ウェイバーが音を立て、ブラハムがゾロの方へと突っ込んだ。

(踏み込みなしだとっ)

ゾロは紙一重でかわし、間合いをとる。

(爆風で体を浮かせやがる上に、あの光るピストル……おかげで逐一ヤツを見失う)

それからしばらく、ゾロはブラハムの攻撃に翻弄されていた。

ティオはその様子を見守りながら、だから言わんこっちゃないとため息をつく。

ティオにはブラハムの位置や次の攻撃が分かるため、見ていて何だかもどかしいのだ。

「虎狩り!」

「刀三本!?」


"ブウゥゥン……"


三本の刀には驚いたものの、ブラハムは冷静にウェイバーで退避する。

そしてそのまま宙を舞い、ミルキーロードの上に降り立った。

ともなれば、ゾロがブラハムに攻撃を与えるにはそこまで登るしかない。

ゾロは刀を三本構えたまま、近場の樹を駆け上がっていった。

「フン、ウェイバーもダイヤルも使えねぇ青海の剣士が何をやっても無駄だ。こういうもんを知ってるか!」

ブラハムが取り出したのは、ミルキーダイヤル。

それで新しく雲の道を作ると、ウェイバーで滑走した。

向かう先には、樹を駆け上がりジャンプしたまま、空中にいるゾロ。

「なんだっ!?」


"パンパァンッ"


ほぼゼロ距離の銃撃を、ゾロは身を逸らして躱す。

「ただ闇雲に飛び回ることを、空中戦ってんじゃないんだぜ!」

ブラハムの銃弾を間一髪かわしたゾロは、そのままミルキーロードに真っ逆さま。

そのまま落ちるのかと思いきや、ミルキーロードから巨大な生物が顔を出した。

「んなっ、うなぎ!?」

巨大うなぎはゾロを食おうと口を開ける。

しかしゾロのひと太刀で、うなぎは縦に真二つになった。

「蒲焼にすると食い入れがありそうだな」

呑気にそんなことを言いながら、ゾロはうなぎの上に降り立つ。

するとそこに……


"パパパパンッ"


「!」


 
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