シザンサス

□5,スカイピア
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ということで、麦わら一味はナミを残し、先にパガヤとコニスの家に行くことになった。

家まで続く長い階段を登っていく。

「うおっ? ありゃぁ工事現場か?」

ウソップとチョッパーが、階段の下を覗き込む。

「あぁ、雲切り場ですね」

「切れるもんなのか? 雲って」

「この白々海へは、ミルキーロードを通ってきたのでしょう?」

「ミルキーロード? あの曲がりくねった回路のことか?」

「あれは、ここで切り出した雲を使って人工的に作った運河なんです。ここは島雲と海雲の2種類で構成されています。今そこで切り出しているのは島雲なんですよ」

そんな話をしながら、一行は階段を上っていった。



「……はぁ……はぁ……」

一行から少し遅れて、ティオも階段を上がっていた。

しかし、何だかフラついて、思うように進まない。

頭はズキズキ痛むし、目眩もする。




「いやぁ〜いい見晴らしだな〜!」

「ナミのウェイバーも見えるぞ!」

「おっさん、キッチンはどこだ?」

先に階段を上りきったメンバーは、続々と家の中へ入っていった。



「……」

ティオは、酷く疲れてしまい、階段の途中で立ち止まる。

「おい」

一瞬、どこから声がしているのか分からなかった。

「……?」

数秒かかって声がする方向を探り当て、そちらを見ると、ゾロが階段を降りてきていた。

「遅せぇと思ったら何してんだよテメェは」

「……」

「…何か言えよ」

生気がなく、焦点も合っていない目で、じっとゾロを見上げるティオ。

ゾロは不思議そうにティオに近づいた。

すると……


"ボフッ……"


「あ、おい!」

糸が切れた人形さながら、ティオは階段に倒れ込んだ。

幸い階段も雲で出来ていたため、ケガをすることはなかった。

「……ったく、だからさっき大丈夫か訊いたってのに」

ゾロはため息をついて、幼子にするようにティオを抱き上げた。

「………はぁ………はぁ………」

ティオは気絶さえしていないものの、ゾロの肩にぐったりと顎を乗せる。

呼吸数も少ない。

ゾロはそのまま、階段を登っていった。

 
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