LOVE series


□さよなら
1ページ/1ページ


もう少しだけこのまま、









あなたと一緒にいるたびに願った。











あと1度だけ、あと1度だけ










あなたの声を聞くたびに思った。











すごく、好きだった。










壊れてしまえばいい、










壊してしまえばいい、











何度も頭をよぎったけど










あなたの横で笑う、










綺麗な瞳の彼女を見たら










そんなこと、










こんな私がしちゃいけないと思った。











ただ、まっすぐに










あなただけを見つめて、









あなただけを想う、










彼女が、私のことを知ったら










どれだけ悲しむか










どれだけ傷つくのか









どれだけ泣くのか










痛いほど見て分かるから










私が引かなくちゃいけなかった。










あなたにとって私は











遊びだったかもしれないけど











ただの暇つぶしだったかもしれないけど











私にはあなたが全部初めてで










嫌じゃないと思ったのも










あなたが初めてだった。










最後の言葉に










嘘なんて一つもありません。










あなたと彼女が知り合う前に










あなたと会いたかった、










そう言ったのは










ほんの小さな奇跡を願ったから。










でも、あなたは何も言わなかった。










それがあなたの出した答え。










彼女には私は及ばない。









私なんかのために










あなたは何も捨てない。










何も犠牲にしない。










私はあなたにとって










それだけの存在だったということ。










そう思えば、










少しは楽になるから。










少しは、あなたの悪口を言えるから。











でも、言わない。










大好きな人の悪口なんて










出てこないから。










さよならは言えなかったけど










それだけは言いたくなかったけど










頭ではちゃんと、分かってる。










もうニ度と、私たちは会えないって。










だから、ほんとうに










さよなら。








END.



めずらしく、不倫ものです。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ