孤高の歌姫

□プロローグ
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目を開けると視界には真っ白な床が目に飛び込んできた。

どうやら自分は床の上に寝ていたようだ。

全身が気だるく身体の節々が痛む。
ズキズキと心臓の鼓動と同じ速度で痛む頭を押さえながら辺りを見渡す。

そこは広い部屋のようだった。
壁は床と同様に白い大理石。
壁に埋め込まれた柱は細部まで細やかな装飾が施されていた。
天井は遥かに高く上を見ようとすると首が痛くなる位である。
目線を下にずらすと今度は眩いまでに輝く金銀財宝だった。



どう考えても可笑しい...

普通の光景ではない。

何故自分は此処に居るのか...

"記憶のあった自分"は一体何の為に此処へ来たのか...


次々と疑問が湧いてくる。
頭の中がごちゃごちゃになって混乱し始めた刹那。


それは突如として現れたのだ_





「王よ...我が王よ...!!」




自分とは異なる声
突如として立ち込めた霧のようなものはどんどんと集まり煙となり最終的に人の形を型どった。

その人の形を模したものは閉じられた瞳をそっ...と開けるとこう言った。



「王よ.....我が偉大なる王よ...
我が名は"アリシア"鎮魂と愛憎のジンなり」


巨人だった...全身が青色の女性。

否...巨神とでも言うべきか。

それ程までにその姿が異様だったのだ。
その体は至る所を装飾品で飾っており、腕などを動かす度にジャラジャラと音を立てて揺れた。
腰の下まで伸びた長い髪はゆらゆらと揺れていた。
そしてその身体は僅かな布で覆われているだけで殆んど裸体に近いものだったが不思議と卑猥なものとは感じなかった。

それ程までに美しかったのた。
素晴らしい彫刻を見ているような気分で...
思わず息を呑む。

巨神はその整った顔でゆっくりと微笑んだ。
そしてこの大きな身体を屈めると"私"に跪く様に傾ぐ。






何が何だか理解出来ず只唖然とするばかり。










暫く時が止ったかのような感覚がした。








この静寂の中"私"はおずおずと口を開いた。










『此処は...此処は一体何なの...此処は一体何処なの。
貴女は誰...?そして...そして

















"私"は...何...?』
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